

宮城、群馬、愛知各県で24日、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種が始まった。いずれも独自に会場を設置し、米モデルナ製を使う。接種を加速させ、仙台市や群馬県は7月末までに全高齢者の完了を目指す。
愛知県の会場は県営名古屋空港ターミナルビル(豊山町)、藤田医科大(豊明市)の2カ所。24日は名古屋市の高齢者計約1500人が接種を受ける見通しだ。
藤田医科大での接種に夫婦で訪れた後藤武雄さん(80)は「ずっと仕事と家の往復だから出かけたい」。妻の淑江さん(74)は「モデルナワクチンは情報がないので不安だったけれど、早く打ちたかった。自粛から開放されたい」と話した。
接種対象は順次、2会場の近隣市町の住民に広げる。混乱を避けるため、予約は各市町のシステムを利用し、接種日も分ける。市町と会場を結ぶシャトルバスを走らせ、1日最大3000人程度に接種する方針だ。
宮城県と仙台市、東北大は24日、JR仙台駅近くに設けた会場で大規模接種を開始。当面は同市の高齢者を対象に1日最大2100人に打ち、徐々に他市町村に広げる。冨永悌二東北大病院長は「一日でも早く、一人でも多く接種し、次の波の時に感染者数を減らすことが重要だ」と訴える。
仙台市は個別、集団、大規模の3種類の接種を組み合わせる。予約開始時期が異なるため、混乱も予想される。
群馬県は太田市の廃校舎に接種センターを設けた。24日は試験運用として同市の高齢者100人に打つ。本格稼働する6月以降は、東部9市町の高齢者を対象に1日最大1000人に接種する。
今後、人口の多い中央部に2カ所目のセンターを開設。山本一太知事は「一刻も早く完了させることが、県民の命と健康、暮らしを守ることにつながる」と強調する。
JIJI Press