



静岡県熱海市の伊豆山地区で起きた土石流災害は6日午前、生存率が急激に下がる目安とされる発生から72時間が経過した。警察や消防、自衛隊などは約1100人態勢で早朝から不明者の捜索活動を継続。市と県は安否が分からない住民29人の所在確認を急ぐとともに、情報提供を呼び掛けている。
県などによると、これまでに4人の死亡が確認された。身元不明の3人のうち1人は70歳くらいの女性、1人は60~80代とみられる女性で、県警などが身元確認を進めている。
被災地には住民基本台帳上、215人が住んでいる。市は避難所からの名簿を照合するなどしても安否確認できなかった64人の氏名を公表。その後、本人や家族らと連絡が付くなどし、6日正午現在の不明者は24人になった。
市によると、公表直後から本人や親族などから「実家にいる」「親戚の元に避難している」などと多数の連絡が入り、生年月日や電話番号などを聞き取って確認したという。
県警によると、この24人のほかに警察などに連絡が取れないと通報があった人が5人いるという。市内には別荘を所有する県外居住者も多く、伊豆山地区の家屋所有者に家族の安否情報の提供を求めている。
土石流は3日午前10時半ごろ発生。建物約130棟が流失するなどした。6日時点で住民約570人が熱海市内のホテルや小学校に避難を続けた。
時事通信