モスクワ時事: ロシア外務省のザハロワ情報局長は3日、日本国内で6月24日に始まった陸上自衛隊と米陸軍による共同訓練「オリエント・シールド21」に関し、「前例のない規模に注目せざるを得ない」と不快感を示した。
ザハロワ氏は声明で、ロシアに近い北海道でも訓練が実施されたことから「わが国の極東の国境の安全保障の観点から吟味している」と説明。岸信夫防衛相が6月29日に北海道の航空自衛隊基地を視察した際、北方方面の警戒強化を訓示したことに触れ、「(日本の北方の)隣国はロシアだけだ」と反発した。
日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋」構想についても、日米同盟の利益確保に向けた取り組みとの印象を拭い切れないと主張。日本は安全保障分野に関し、ロシアとの建設的対話や信頼醸成に向けた議論から離れていると不満を示し、「日本の方針を注視し、必要に応じて適切な対応を取る」とけん制した。
時事通信