
フランチェスコ・ボンガラ
ローマ:世界の指導者として今度はイタリアのジュゼッペ・コンテ首相が来週ベイルートを訪れ、先月港で起きた壊滅的大爆発の辛酸をなめるレバノンに支援の手を差しのべる。
イタリアのマンリオ・ディ・ステファノ外務次官によると、首相は9月8日(火)、「レバノンの政治的・組織的指導者たちと丸一日に及ぶ会合を持ち、ベイルートの民間組織の代表らとも会談する」という。
先週、レバノンのミシェル・アウン大統領との会談後、イタリアのロレンツォ・グエリーニ防衛大臣もコンテ首相のレバノン訪問を発表している。
グエリーニ大臣はコンテ首相のきたるレバノン訪問について、「両国間の兄弟愛の実質的な証」だと述べた。首相の訪問は、8月4日に港の倉庫内の硝酸アンモニウムが大爆発し、180人の死者、6千人以上の負傷者を出した事件に続くもの。
大爆発直後、レバノンのハッサン・ディアブ前首相と電話中、コンテ首相はイタリア国民を代表して「心からの哀悼の意」を表し、レバノンへの「無条件の支援」を申し出た。
その数日後、グエリーニ大臣は緊急支援物資を届けるためにベイルートへ飛んだ。物資はイタリア軍部を動員し、Emergenza Cedriと称する人道支援活動の一環として2隻のイタリア海軍の船で輸送された。野戦病院や爆発物・化学物質専門家もイタリアからレバノンへ送り込まれた。
国連レバノン暫定軍に所属する約1,200名のイタリア兵が、イタリアの指令の下で現在レバノンに駐屯している。過去38年間、イタリア軍は一度もレバノンから撤退することはな かった。
ローマのイタリア外務関係筋がアラブニュースへ語ったところによると、コンテ首相はアウン大統領、ムスタファ・アディブ次期首相、そして「レバノンの全政治派閥の代表者たち」と首都ベイルートで協議を行う。
ディ・ステファノ外務次官によると、コンテ首相はベイルート港の爆発現場にも訪れ、爆発直後に配備されたイタリアの緊急支援を視察する。
「きたる公式訪問の目的は、我々が今一度、レバノンの経済のみならず、その社会的・政治的構造の再建についても貢献したいと考えていることを証明・確認することだ」ディ・ステ ファノ氏はイタリア国会下院に対してそう語った。
「非常事態から立ち直り、レバノンの新政府が形成されれば、国際コミュニティがレバノンの経済と財政の復興を支援し、完全な安定へと導かなければならない。
イタリアはずっとこの戦略上の目標を地中海地域ならびに国際コミュニティの利害の点から目指してきた。我々は今後ともレバノンの味方であり続ける」とディ・ステファノ氏は 語った。
彼は、2018年4月、パリのCEDRE 会議で、レバノンの各種機関とその経済を強化するために1億2千万ユーロ(1億4,200万ドル)の支援を誓約したことにも言及した。
レバノンは考古学上の遺産から下水処理施設まで、各部門におけるイタリアの開発協力の主要受益国の一つだ。レバノンは国民の中の弱者層やレバノンに居住するシリア難民に対するイタリアの支援も受けている。