
東京:日本のアフガニスタン人や支援団体は、タリバンが15日にカブールを瞬く間に占拠し、アフガニスタンの民主政府を崩壊させたことに衝撃を受けると同時に、同イスラム主義組織がこの国をどのように統治していくのか、不安を口にした。
アフガン生まれの71歳の医師で、アフガニスタンの人々に医療やその他の援助を提供する非政府組織、カレーズの会を率いるレシャド・カレッド氏は、首都が「これほどスムーズに占拠される」とは予想していなかったと語った。
「タリバンの首都侵攻により、かなりの犠牲者が出る可能性があると心配していました。大きな衝突はなかったので、ほっとしています」と、日本の中部、静岡県で診療所を営むレシャド氏が語った。
しかし同医師は、タリバンが簡単に勝利したことに疑問を呈した。「何らかの取引があったのかもしれない」と同氏は語り、政府の抵抗がなかったことを理由として挙げた。
タリバンは戦争終結を宣言したが、レシャド氏は「新政府がどうなるのか、全く明らかになっていないので」安心はしていないと語った。
「(タリバンが)国際的なルールを遵守し、子どもたちが将来の夢を持てるような国を作れるかどうか、注視して行くつもりだ」と、同氏は述べた。
アフガニスタンの人々を支援するNGO、ピースウィンズ・ジャパンの代表、大西健丞氏54歳は、困窮者や女性への援助に混乱が生じる可能性を危惧している。
「短期間で非常に悪い状況になる可能性があります。状況が許す限り、我々は援助を提供し続けたい」と、大西氏は述べた。
日本の南西部の都市、福岡市に拠点を置くNGOのペシャワール会の関係者によると、アフガニスタンで医療援助を行っているNGO、ピース(ジャパン)メディカルサービス(PMS)は、15日以降、援助活動を停止しているという。PMSは、ペシャワール会から支援を受けている。
PMSが援助活動に従事している東部の都市ジャララバードやその他の場所では、戦闘は発生していないと、同関係者は述べた。「状況を見守っていく」と、同関係者は語った。
汚職がはびこっているとして非難を受けてきたアフガン政府の崩壊は「起こるべくして起こったもの」と、東京のアフガン料理店の経営者で、アフガニスタンとの長い交流の歴史を持つ安仲卓二氏、66歳が述べた。
アフガニスタンの知人の中にはタリバンを支持する人も少なくないと安中氏は言う。「私は(アフガニスタンが)自立することを願っています」と、同氏は語った。