
火災で大部分が焼失した首里城(那覇市)の再建に向け、沖縄県や市に寄せられた寄付金が1日までに計12億円を突破した。ただ、再建は政府が国主体で行う方針を示しており、寄付金の活用方法は未定。県は使途などを議論する知事直轄組織を立ち上げたが、玉城デニー知事は「国と協議する」と述べるにとどめている。
市は火災発生翌日の11月1日から、ふるさと納税の仲介サイト「ふるさとチョイス」などで受け付けを開始。同30日正午時点の寄付額は8億円を超え、県が受け付けている寄付金と合わせると約12億300万円となった。
支援の輪は、沖縄を訪れる修学旅行生にも広がり、県庁には連日のように全国の中高生が寄付金贈呈に訪れている。同月29日には埼玉県の本庄第一高校の生徒らが訪れ、同校2年の佐藤はなさん(17)は「再建に少しでも役立ててもらえれば」と語った。
玉城知事は、本土復帰50周年に当たる2022年5月を目標に再建計画をまとめる方針で、復旧に向けたロードマップなどを策定する「首里城復興戦略チーム」も立ち上げた。ただ寄付金の使途については検討中で、定例会見でも「国との役割分担も確認しながら明確にしたい」(玉城知事)と述べるにとどめている。
再建をめぐって、政府は火災発生直後から国主体で取り組む方針を明らかにしている。玉城知事は、2日に開かれる首里城復元に向けた関係閣僚会議に出席する予定で、寄付金の使途についても国と調整を進める考えだ。
JIJI Press