
政府は5日、新型コロナウイルス感染拡大を受け強化していた水際対策を緩和すると発表した。ビジネス関係者の入国について、3カ月以内の短期滞在の場合はワクチン接種などを条件に待機期間を10日間から3日間に短縮。長期滞在のビジネス関係者や留学生、技能実習生も入国を認める。いずれも企業や大学などの受け入れ先が行動管理を徹底することが条件で、8日から実施する。
政府は1月から外国人の新規入国を原則として認めず、「特段の事情」がある場合に限っていた。国内外でワクチン接種が進み、感染状況が改善したことを踏まえ、経済界がビジネス往来活発化に向けて緩和を求めていた。
入国再開の対象に観光客は含めないが、木原誠二官房副長官は5日の記者会見で「年内を目途に行動管理の実効性について検証を行い、再開へ検討を進める」と説明した。一方、今回の緩和策全般に関して「新たな変異株感染の拡大など状況が悪化する場合は機動的に対応する」と述べ、改めて制限を課す可能性に言及した。
短期のビジネス滞在の場合、ワクチン接種済みで入国3日目の時点で陰性が確認されれば、受け入れに責任を持つ企業などが「活動計画書」を所管省庁に提出し、承認を得ることで外出が認められる。仕事や研修への出席、指定席を利用した公共交通機関の移動などが可能。日本人出張者の帰国時も同様の対応となる。
長期滞在のビジネス関係者、留学生、技能実習生は、14日間の待機期間を設けることで入国が可能となり、日本政府が認めるワクチンを接種済みであれば10日間に短縮される。ビジネス関係者は待機期間中に活動しなければ滞在の目的を達成できない場合に限り、待機期間を3日に短縮される。
対象となるワクチンは米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカ社製に限り、中国製ワクチンなどは含まれない。
政府が設定した1日当たりの入国者総数3500人の上限は当面変更せず、その枠内で新規入国を認めるとしている。
時事通信