
先の衆院選を受けた第206特別国会が10日召集され、岸田文雄首相(自民党総裁)が第101代首相に指名された。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、第2次岸田内閣が発足。首相は首相官邸で記者会見し、「国民の信頼と共感を得ながら丁寧で寛容な政治を進める」と表明。新型コロナウイルス禍で苦境にある学生に対し、緊急給付金10万円を支給する考えを明らかにした。
10月の第1次内閣スタートから約1カ月しかたっておらず、今後本格的に政権が始動する。来年夏の参院選に向けて実績が問われる。
首相は19日に取りまとめる経済対策に関し、公明党と合意した18歳以下への10万円相当の支給などに加え、「コロナ禍で厳しい経済状況にある学生に対しても10万円の緊急給付金を支給する」と述べた。
首相はコロナ対応の全体像を12日に国民に示すと説明。12月から3回目のワクチン接種を始める方針を示し、「18歳以上の希望する全ての方が接種を受けられるようにする」と明らかにした。「感染拡大時に無症状者でも無料で検査を受けられるようにする」と語った。
従来のコロナ対応を徹底的に検証し、来年6月までに指令塔機能強化を含めた感染症危機管理強化策をまとめる方針も示した。
首相は最近のガソリン価格の高騰を踏まえ、「農業・漁業など関係業界や困っている方々に対する支援を行う」と述べた。看板政策の「成長と分配の好循環」に向け、地域活性化への交付金を大規模に展開し、自動運転による配送サービスを可能とするための法案を次期通常国会に提出する考えも表明。「従来の政策にひと工夫もふた工夫も加えることで結果につなげる」と訴えた。
特別国会は12日までの3日間。政府・与党は12月上旬に改めて臨時国会を開き、経済対策を盛り込んだ2021年度補正予算案の年内成立を目指す。首相は外相に林芳正・元文部科学相を起用し、他の閣僚は全員再任させた。
首相は公明党の山口那津男代表と会談し、政策実現に向けた連携を確認。10日の衆院本会議では、議長に自民党の細田博之氏、副議長に立憲民主党の海江田万里氏がそれぞれ選出された。
第1次岸田内閣は10月4日に発足。直後の衆院解散に伴う同31日の衆院選で与党が勝利したことにより政権の継続が決まった。
時事通信