金曜日、日本の岸田文雄首相は、この冬に懸念される新型コロナウイルス感染症の再流行に備え、病床と医療資源を拡充する緊急対策の全体像をとりまとめた。
医療体制を圧迫し、多くの死者を出した夏の感染の第5波を経て、国民のワクチン接種率が70%超に達したこともあり、感染者数と死者数は激減した。
国内の大部分の地域が対象になっていた緊急事態宣言は先月に解除されたが、医療の専門家は、昨冬に続いて日本で感染者数が再び増加する可能性が高いと警告している。その事態に備えて、政府は病床数を約30%増やし、在宅医療を拡充し、逼迫する病院を事前予測するためのデータを収集するとしている。
岸田首相は「医療体制の強化と並行して、12月からITシステムを利用して病床数と各病院の状況を公開する」と記者に語った。首相は今週初めに、政府のパンデミック対策の「切り札」は入院が必要になる状態を防ぐ経口薬の調達だと述べていた。
水曜日の発表によると、日本は、メルク・アンド・カンパニーとリッジバック・バイオセラピューティクスが開発した新型コロナウイルスの経口薬「モルヌピラビル」160万回分を約12億ドルで購入する。
これは米国が確保した供給数の約半分で、日本における新型コロナウイルス感染症の流行開始からの累計感染者数170万人に匹敵する。
一方、ワクチンの追加接種は来月から始まる予定で、政府は接種対象を5歳以上まで拡大することも検討している。
日本の死者数は18,000人あまりで、厳密な都市封鎖を実施せずに他国よりもパンデミックを抑えてきている。
しかし、今夏は急増した感染者に病院が対応しきれず、自宅での死亡が頻発したことについて、政府は厳しい批判を受けている。菅義偉前首相は危機対応の問題で9月に辞任した。
病床不足を回避するため、厚生労働省は過去と現在の感染データを用いて医療資源がいつどこで逼迫するかを予測するシステムを採用した。
予測ツールを開発した京都大学の古瀬祐気教授は「第6波は起こるかどうかではなく、いつ起こるかが問題だ」と述べた。
「現在の日本の状況は落ち着いていて、すぐ規制を解除してもよさそうに見える。しかし、再び必要になったときに人々が『自粛』に戻れるのか懸念している」
ロイター