
岸田文雄首相は26日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の市中感染が国内で広がりつつあることを受け、オミクロン株感染者の濃厚接触者となった受験生について、別室受験を含む受験機会確保の方策を検討するよう文部科学省に指示した。首相周辺が明らかにした。
大学入試共通テストは来年1月15、16両日に迫っている。首相の指示は大学受験に加え、高校や中学校の受験も念頭にあり、文科省は専門家と具体策を検討した上で、年内に公表する見通しだ。
オミクロン株は感染力が強く、11月下旬に国内初の感染例が確認された後、東京、大阪などに市中感染が広がっている。
同株の濃厚接触者に対しては首相が21日、自宅ではなく宿泊施設で14日間待機するよう求める方針を表明。これを受け、文科省も24日、宿泊施設待機を求められている受験生は無症状でも本試験を受験させず、追試験などで救済する指針を出した。しかし、一部で「受験生がかわいそうだ」などの声が出ていた。
時事通信