
新型コロナウイルス対策を助言する厚生労働省の専門家組織「アドバイザリーボード」は28日、変異株「オミクロン株」の拡大で「入院の必要な人が急増する可能性がある」との見解をまとめた。大阪府内の感染者について、同株の割合が来年1月中旬に9割を超えるとの推計も報告され、急速に置き換わりが進むとの見方を示した。
京都大の西浦博教授らは会合で、大阪の新規感染者に占めるオミクロン株の割合は、来年1月11日に90%を超えると試算。感染者1人が平均してうつす人数「実効再生産数」は同日時点で、デルタ株と比べ2.64倍に上るとした。
専門家組織は、オミクロン株は重症化リスクが低い可能性が示されている一方、感染力の強さが懸念されると指摘。「感染拡大が急速に進むことを想定すべき状況だ」と強調した。
後藤茂之厚労相は会合で、新型コロナの飲み薬「モルヌピラビル」が、これまでに全国約900カ所の医療機関や薬局に届けられ、京都府内で初めて投与されたと明らかにした。
また、専門家組織のメンバーらは28日、オミクロン株の急拡大に備え、患者全員を入院させる方針を見直し、重症度に応じて判断するよう政府に提案した。
時事通信