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OPECは石油市場をサウジの手に委ねるべきである – みずほ

昨年史上初めてマイナス価格に下落した後、生産統制が石油業界の回復に役立ってきた。(ロイター)
昨年史上初めてマイナス価格に下落した後、生産統制が石油業界の回復に役立ってきた。(ロイター)
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24 Jul 2021 02:07:20 GMT9
24 Jul 2021 02:07:20 GMT9
  • サウジアラビアは、新型コロナウイルスの時代に効果的な生産管理を行なった
  • 新型コロナの再燃で需要が落ち込めば、危機に陥る可能性は残る

アラブニュース

リヤド:OPECおよび全エネルギー業界は、昨年下げ相場だった石油価格の回復を支援したサウジアラビアに感謝すべきであり、市場の管理は王国へ委ねるのが最善だろう、と投資銀行のシニア・エネルギー評論家は語る。

「新型コロナウイルスの時代に、彼らが実施した生産プログラムの管理は素晴らしいものでした」 と、みずほ証券のエネルギー・フューチャーズ事務局長、ロバート・イエーガー氏は22日、ブルームバーグテレビジョンでのインタビューで語った。

昨年4月20日、原油の先物価格は史上初めてゼロを下回った。新型コロナウイルスのパンデミックに対応し幅広く実施されたロックダウンの最中に、需要が蒸発したためだ。

それは「前代未聞の出来事」となり、「業界にひどい傷跡を残した」とイエーガー氏は解説する。「業界は、サウジの管理の下で持ち直しました。他のOPEC諸国は、サウジアラビアへ感謝することがたくさんあるはずです。エネルギーに携わっている誰もが、これについては彼らへ深く感謝すべきです。」

OPECプラスが生産枠で合意に至ることができないでいる中、米国の指標であるWTI原油先物は7月5日に6年越しの高値を記録、76.98ドルに到達した。だがその後、アラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアが妥協案を打ち出したことを受け、価格はジリジリと下落した。同グループは8月から14ヶ月間、毎月の生産量を40万バレルずつ増加させる計画だ。

生産統制が価格の回復に役立ったとはいえ、新たなロックダウンが需要を減少させれば市場は危機に晒される、とイエーガー氏は語る。

「誰もが市場にある限りのバレルを買いたがっているのは分かりますが、それは不可能な話です」と彼は述べた。「市場を溢れさせることはできません。現在、市場は大変脆い状態です。」

「サウジアラビアに管理を任せるのが最善である、というのが私の意見です。彼らは素晴らしい成果をあげています。彼ら自身が市場を溢れさせない限りね。」と彼は述べた。

「誰もがマイナス価格を覚えています。それは、昨年の価格競争の結果でした。その方向へ再度価格を下落させるよりも、市場からバレルを離し、サウジを責任者に据えて状況の管理を任せる方がよいという想定に全員が落ち着いたのです。あのような下落をかなりの長期にわたって支えることは、誰にもできません。」

「76.98ドルという数字を再び目にすることがあるかは分かりません。困難かもしれません。」

米国における新型コロナウイルスの感染者数は、この数週間で上昇している。今月初めには1日当たり1万人以下だったものが、昨日は6万4,000人近くまで増加した。だが、1日当たりの新規感染者数が25万人以上だった1月のピーク時と比較すれば少ない数値だ。

「昨秋の3分の1の規模でコロナが再び急増すれば、深刻な事態に陥り、結果として大きな需要は望めなくなるでしょう」とイエーガー氏は述べた。「全員がワクチン接種を終えていれば、こんな会話さえ必要なかったと思います。ですが冬に向かおうとする現在、人口の大部分は予防接種を終えていません。原油需要にとって、この事は大きな問題となる可能性があります。」

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