リヤド:サウジアラビアの宇宙飛行士ラヤナ・バルナウィ氏とアリ・アル・カルニ氏は、民間主導の国際宇宙ステーション(ISS)滞在ミッション「AX-2」でISSに到着してから数日後、ISSで研究プロジェクトを開始した。
サウジアラビアの2人の宇宙飛行士は、8日間の宇宙ステーション滞在中に微小重力下で14の先駆的な実験に取り組む。そのうち3つの実験は、サウジアラビア国内47か所にいる1万2000人のサウジアラビアの学生の参加のもとリアルタイムで実施される予定だ。
この学生の参加は、「質の高い教育・訓練プログラムや科学実験、国際研究、将来の宇宙関連ミッションへの参加を通じて、将来の宇宙飛行士やエンジニアを育成する」ことを目的としていると、国営サウジ通信(SPA)は伝えている。
このリアルタイムでの交流により、学生はサウジアラビアのクルーが地上と宇宙で同時に実験を行う様子を、生中継で見ることができる。
バルナウィ氏とアル・カルニ氏は、宇宙空間、微小重力、高放射線環境が人間の脳と神経系に与える影響を理解するために6つの実験を実施している。
この研究は、宇宙が人間の健康に与える影響と、宇宙旅行の人間の脳への安全性を評価することを目的としており、脳への血流や脳の電気的活動の計測など、新しい神経科学ツールが利用されることになるとSPAは伝えている。
2人の宇宙飛行士はまた、微小重力下での人間の免疫細胞の炎症反応を調査するために4つの細胞科学実験を行う予定だ。
研究は、炎症を止めることができるプロセスであるmRNA分解での変化に焦点を合わせて行われる。