
東京都は17日、新型コロナウイルスのモニタリング会議を開いた。新規陽性者数は減少傾向にあるものの、専門家は「危機的な感染状況が続いている」と指摘し、ワクチンの追加接種を進める必要性を強調。高齢者を中心に重症患者が増加しており、「(医療体制への)影響が長引くことに警戒する必要がある」とした。
7日間平均の新規陽性者数は16日時点で、前週比17.7%減の1万4563.7人。8日の1万8024.7人をピークに減少に転じているが、同会議は4段階で表す感染状況の警戒レベルを、最も深刻な状態に据え置いた。
医療提供体制についても、「通常の医療も含めて逼迫(ひっぱく)している」として、4段階中最も深刻なレベルを維持。人工呼吸管理が必要な重症者数は前週の59人から81人に増えており、「新規陽性者数よりも遅れて増加する」と警戒を促した。
都は、重症病床使用率が30~40%に達し、かつ7日間平均の新規陽性者が2万4000人を超えた段階で緊急事態宣言の発令要請を検討するとしている。同使用率は15日に31.5%に達したが、小池百合子都知事は会議後の記者会見で「さまざまな指標を総合的に勘案する」と述べ、現時点での要請に慎重な考えを示した。
この他都は、オミクロン株の別系統で主流株より感染力が高いとされる「BA.2」を迅速に判別できる独自のPCR検査を始めたことを明らかにした。1月末以降検査した285検体のうち、BA.2の疑いが1例あったという。
時事通信