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日本の研究者らがツタンカーメンの鉄剣の謎を解明

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07 Mar 2022 08:03:10 GMT9
07 Mar 2022 08:03:10 GMT9

アラブニュース・ジャパン

東京:日本の大学の研究者らがエジプトの少年王ツタンカーメンの墓から発見された鉄剣の謎を解くことに成功した。

千葉工業大学(CIT)の研究チームは、鉄隕石で作られた鉄剣は現在のシリア地方にあったミタンニ王国からエジプトへ持ち込まれたものであると結論づけた。

同大学地球学研究センターおよび惑星探査研究センターの松井孝典所長は、エジプト政府より許可を得て20202月に現地調査を行った。

松井氏はアラブニュース・ジャパンの取材に「当時、鉄剣がどのようにして作られたかを調べる際に、刃全体の元素分布の地図を作るマッピングの技術を活かしました。我々のチームは、小惑星探査機“はやぶさ2”の開発・運用にも貢献している、いわば隕石の専門家であり、それが考古学とは異なる点です」と語った。

ツタンカーメンの鉄隕石でできた鉄剣は錆びがほとんどないため、どのようにして作られたのかを調べることが可能だったという。

「そのまま放っておくと錆びが進行してボロボロになったはずで、3400年はもちません。しかしツタンカーメンの棺の中では腐食が進行していない。つまり腐食が進行したのは棺に入れる前なのです。ツタンカーメンが持っていた時に腐食したということでしょう」

松井氏は数々のエジプトの古文書を調べ、ミタンニの王女がツタンカーメンの祖父アメンホテップ3世に嫁入りした際に鉄剣を贈ったという記述を発見した。

3400年前、アナトリア高原のヒッタイト王国とシリアにまたがるミタンニ王国が製鉄技術を持っていたのです。だから鉄隕石を加工することができたのです」

松井氏はさらなる物的証拠を得ようと、鉄剣の柄の部分の金を測定した。「金の中にカルシウムが2番目に多く含まれていました。これは接着剤ではないかと考えました。エジプトとミタンニでは異なる種類の接着剤を使用していたことから、鉄剣がミタンニで作られたのではないかという謎解きをしたのです」

人類が鉄を製銑した最初の場所がトルコのアナトリア高原のヒッタイト王国だった。松井氏は「3900年から3200年前のヒッタイトで、秘密の技術として鉄製品を作る技術がありました。3200年前に同王国が消滅して以来、この技術が普及し、いわゆる鉄器時代が始まりました。アラブ世界は地理的に近いので、そのような技術がアラブの多様な文化に大きな影響を及ぼしたとしても不思議ではないと思います」と語った。

サウジアラビアの国旗に剣がデザインされていることについて松井氏は、「剣を象徴として使うことはとても意味があると思います。日本人にとっては、刀は精神的な象徴です。この剣にサウジアラビアの精神性が込められているのではないかと思います」と述べた。

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