
裸眼視力が1.0未満の小中高生の割合が過去最高に上ったことが20日、文部科学省の2019年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。同省は「近い距離でスマートフォンの画面を見たり、読書をしたりすることが一定の影響を与えている可能性がある」と分析。20年度に数千人規模の実態調査を初めて行い、対応策を検討する。
今年4~6月、全国の幼稚園児と小中高校生(5~17歳)が受けた健康診断の結果から、抽出して調べた。
裸眼の視力が1.0未満だったのは、小学生が34.57%、中学生が57.47%、高校生が67.64%で、いずれも最悪となった。アレルギー性鼻炎など鼻・副鼻腔(びくう)疾患は中学生の12.10%と高校生の9.92%、難聴以外の耳疾患は高校生の2.87%がそれぞれ過去最高だった。
一方、虫歯は減少傾向が続き、中学生34.00%、高校生43.68%で過去最低を更新。学校での歯磨き指導や、家庭での歯の健康に対する意識の高さなどが背景にあるとみられる。
東京電力福島第1原発事故に伴う屋外活動の制限などで肥満傾向児の割合が急増した福島県では、今回13歳(12.29%)が全国1位となった。ただ、同省は「他の都道府県より突出して高いとは言えず、特に影響はないのではないか」との見方を示した。
時事通信社