
【北京時事】日中韓の貿易担当相による会合が22日、中国・北京で約3年ぶりに開かれた。発表された共同声明によると、インドが離脱に言及した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の2020年中の妥結に向けた協力で一致。RCEP交渉に基づき、3カ国がより高い水準で工業品・農産品の関税撤廃・削減などを目指す自由貿易協定(FTA)交渉を加速することでも合意した。
日中韓貿易相会合の開催は16年10月以来で、日本からは梶山弘志経済産業相が出席。エネルギー、電子商取引などの分野で協力することでも一致した。貿易相会合の合意事項は、中国四川省成都で24日に予定される日中韓首脳会談で確認される見通しだ。
貿易相会合には梶山氏のほか、議長国である中国の鍾山商務相、韓国の成允模産業通商資源相が出席した。梶山氏は終了後の共同記者会見で「インドを含めた16カ国での早期署名に向けて取り組むことが重要だ」と強調した。11月のRCEP首脳会合ではインドが中国製品流入への警戒から合意に反対し、目標だった19年中の妥結は見送られた。インドを除く15カ国が20年中の合意を目指す中で、日本は成長を続けるインドの活力を取り込むことを重要視している。
鍾氏は会見で「世界経済は保護主義が台頭している。日中韓は協力して貿易投資のレベルアップを図る」と述べ、RCEP妥結を追い風にFTA交渉に弾みをつけたい意向を示した。梶山氏も「包括的で質の高い互恵的な協定を実現するため、3カ国で協力する」と語った。
日中韓貿易相会合は01年の首脳会談で合意した経済対話の枠組みで、今回で12回目。当初はほぼ毎年のペースで開かれていたが、近年は韓国の政治の混乱や日中対立などの影響で途絶えがちだった。
JIJI Press