
東京:日本郵政株式会社は金曜、「かんぽ」保険商品の不適切販売に対する行政処分を受け、グループ3社の社長辞任を発表した。
日本郵政の長門正貢社長兼代表執行役社長は、年明けに辞任する。後任には増田寛也元総務相が就任し、営業スキャンダルに揺れる巨大グループの舵を取る。
金融庁は金曜、株式会社かんぽ生命保険および持株会社傘下の郵便部門である日本郵便株式会社に対し、2020年3月まで3カ月間の業務停止を命じた。同庁はまた、同2社および親会社に業務改善命令を出した。
一方、総務省は日本郵政と日本郵便に対し業務改善命令を出した。同省の措置には、郵便部門に対して下された業務停止命令も含まれた。
「深刻な問題であり、抜本的な改善が必要だ」と高市早苗総務相は閣議後の記者会見で語った。
麻生太郎金融相は記者会見で、グループ内で共有すべき情報について十分連携が取られていなかったと述べた。
長門社長とともに、かんぽ生命の植平光彦社長社長兼CEO、および郵便部門の横山邦男代表取締役社長が辞任する。
金融庁はかんぽ生命と日本郵便に業務停止命令を出すのは初めて。
金融庁命令の対象となるのはかんぽ保険商品の販売業務。グループの郵便および貯金業務は影響を受けない。
同庁は、これら子会社2社に不適切販売の詳細の確認および予防措置を確立する作業に集中させたいとの考え。同庁はまた、グループのガバナンス欠陥についても親会社を厳しく批判した。
かんぽ生命では千田哲也副社長が植平社長の後を継ぎ、日本郵政の衣川和秀専務執行役が郵便部門の横山社長に代わる。
また、持株会社の鈴木康雄上級副社長は、発表前に当時の前総務事務次官から行政処分についての同省の議論に関する情報を受け取ったとして批判を受け、辞任する。鈴木上級副社長自身も同次官OB。
日本郵政グループが立ち上げた委員会による調査報告書によると、法令や社内ルールに違反した不適切販売は約13,000件の保険契約に及んだとみられる。
時事通信社