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米韓首脳、「民主主義」旗印に連携=中朝にらみ行動強調―日韓関係、陰のテーマに

2022年5月21日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(中央左)とアメリカのジョー・バイデン大統領が公式晩餐会に向けソウルの国立中央博物館に到着した。(AFP)
2022年5月21日、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領(中央左)とアメリカのジョー・バイデン大統領が公式晩餐会に向けソウルの国立中央博物館に到着した。(AFP)
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21 May 2022 09:05:48 GMT9
21 May 2022 09:05:48 GMT9

ソウル時事: バイデン米大統領と韓国の尹錫悦大統領は初の首脳会談で、同盟関係の立て直しを急いだ。ロシアのウクライナ侵攻が国際秩序を揺るがし、アジアでも中国や北朝鮮が力による現状変更を画策する中、「自由・民主主義」を旗印に連携を強調。一方、「戦後最悪」と言われる日韓関係の改善も陰の主題となった。

 ◇新政権に期待

米国にとって訪韓の最大の目的は、韓国の「脱中国依存」だった。バイデン氏はコロナ禍でサプライチェーン(供給網)が混乱した反省を踏まえ、「価値を共有する国々と供給網を強化する」と強調。半導体や医薬品など戦略物資に強みを持つ韓国を「何とか陣営に取り込みたい」(米政府関係者)思惑があった。

対北朝鮮でも韓国の重要度は増している。ロシアの侵攻後、北朝鮮は核戦力強化を鮮明にし、先制使用さえ辞さない姿勢を示す。米朝交渉が停滞する中、同盟強化による抑止力の確保が急務となっていた。

尹氏の就任12日目という異例の早さの会談も、アジア初の訪問先に韓国を選んだのも、中朝に毅然(きぜん)とした態度を示す尹政権への期待の表れといえる。

 ◇対北圧力に転換

「インド太平洋地域の秩序を一緒に構築していく」。尹氏は記者会見で、米国のグローバル戦略との連帯を強調し、同盟再構築を図った。米国が主導する「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加するなど、「言葉だけでなく行動」(尹氏)で米国との絆を強めようとした。

2017年に在韓米軍に配備され、中国の猛反発を買った迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」をめぐっては、中国による経済報復で韓国内に反感と恐怖が拡散。「米国が擁護してくれなかったという不満」(外交筋)も残った。尹氏は「まずは価値を共有する国同士で連帯を構築する」と言い切り、米側との不協和音の解消に努めた。

対北朝鮮では、尹氏は「強力な抑止力が何よりも重要だ」と強調した。対話重視の文在寅前政権から一転、「力による平和」を追求する姿勢を見せた。米韓は今後、非核化の進展は当面困難という現実的認識を背景に、戦略爆撃機や空母などを朝鮮半島とその周辺に展開し、圧力をかける方向だ。

 ◇米の仲裁

首脳会談の隠れたテーマは、日韓関係の改善だった。バイデン氏はオバマ政権の副大統領時代に日韓の仲介に奔走し、「夫婦仲を取り持った」と語ったことがある。バイデン氏は会見で、日米韓3カ国の連携が「極めて重要だ」と指摘。「東京でも議論する」と述べ、岸田文雄首相に関係改善を促す考えを示した。

米政府筋によると、米側は元徴用工判決をめぐり、韓国側に日本企業の資産現金化の回避を、日本側に韓国向け輸出規制の見直しを求めている。

中国、北朝鮮との緊張が高まる中、尹政権にとっても、日本との関係修復は喫緊の課題だ。韓国高官は会談後、「信頼を重ね少しずつ(日韓関係の)障害を取り除いていく」という共通認識が日米韓の間にあると説明した。尹政権は「中国を排除していない」とも表明しており、対日関係に加え、米中のはざまでも難しいかじ取りを迫られる。 

時事通信

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