
軍部と王政を声高に批判したことで日本に亡命しているタイの学者を襲撃したとして、水曜日、日本人の男に20ヶ月の禁固刑が下された。
この判決は、元外交官のパヴィン・チャチャワーンポンパン氏が過去10年間住んでいた京都の地裁でAFPに確認された。
日本の公共放送NHKや他の地元メディアによると、佐藤竜彦被告(43)は先月、2019年にパヴィン氏の自宅に侵入し、反体制活動家である彼ともう1人を催涙ガスで襲撃したことを認めていた。
京都大学の准教授であるパヴィン氏は、この襲撃がタイからの指示によるものではないかと見ていると述べた。
「私は日本に敵はいませんし、日本国内でいかなる政治活動にも参加したことはありませんから、絶対にタイ当局が背後にいると思います」と、51歳のパヴィン氏はAFPに語った。
「裁判所の判決には満足しています・・・。しかし、この襲撃の背後にいる犯人たちは、今後も追跡調査をされる必要があるでしょう」
パヴィン氏は国王批判がタブーとされるタイで、軍や王政に関する本やその他の論評を出版している。
また彼は、200万人以上のメンバーがいるフェイスブックのグループの管理者でもあり、メンバーは民主化運動による改革案についてだけでなく、タイにおける王室の役割についても議論している。
タイの不敬罪は世界で最も厳しい不敬罪の1つとされている。国王や、王妃、王位継承者、摂政を中傷、侮辱、脅迫した犯罪者は、1件の告訴につき最高15年の懲役刑を科される可能性がある。
NHKによると、先月行われた佐藤被告の初公判で、検察は懲役2年を求刑し、共犯者の指示を受けて被害者を襲撃した計画的な犯行であると主張したという。
パヴィン氏は佐藤氏と面識がなく、事件以前にも会ったことがないと述べ、事件はこの学者にトラウマを残した。
「この男は組織犯罪に関与している可能性があります。なぜなら、彼を乗せるためにBMWが待機していました」と彼は述べた。
「夜も眠れない日々が続いています。また、鍵や盗難防止アラームを追加したことに加え、少なくとも5つの監視カメラを家に設置しなければなりませんでした」
人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチによると、タイでの政治的迫害から逃れた少なくとも9人のタイの反体制派が、近年、近隣諸国で襲撃を受けて失踪している。
中でも注目すべきは、2020年にプノンペンで白昼堂々武装した男たちに拉致された、民主化運動家のワンチャレアム・サタクシット氏の失踪事件だ。彼は今も行方不明のままである。
2014年のクーデターで政権を掌握して以来、軍にとって悩みの種だったパヴィン氏は、2016年にタイにいる彼の家族に嫌がらせを行なったとして、軍を告発している。
AFP