
カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職事件で、衆院議員秋元司容疑者(48)への贈賄容疑で逮捕された中国企業側の容疑者が東京地検特捜部の調べに対し、「他に5人の国会議員に現金を渡した」などと供述していることが1日、関係者への取材で分かった。特捜部は経緯や趣旨を捜査している。
関係者によると、中国企業側が国会議員5人に資金提供したとみられるのは、秋元容疑者に300万円を渡した2017年9月下旬に近接する時期。企業側は5人への資金提供を電子機器に記録していたという。
中国企業は北海道留寿都村でのIR事業参入を目指しており、特捜部は、企業側がIRに理解を示すなどした国会議員に広く取り入ろうとしたとみて捜査しているもようだ。
秋元容疑者への贈賄容疑で逮捕されたのは、中国企業「500ドットコム」の副社長を名乗っていたジェン・シー容疑者(37)といずれも顧問の紺野昌彦(48)、仲里勝憲(47)両容疑者。
逮捕容疑などによると、3人は17年9月28日の衆院解散日に「陣中見舞い」として300万円を秋元容疑者に提供。翌年2月、同容疑者家族を北海道旅行に招き、費用約70万円を負担した疑いが持たれている。
ドットコム社側は秋元容疑者への贈賄工作も詳細に供述。解散日の「陣中見舞い」についても電子機器に記録していたといい、特捜部は供述と記録の内容を突き合わせつつ、捜査を進めているもようだ。
時事通信社