東京:4日連続の猛暑日が続く東京では28日、6月の猛暑日連続記録としては150年近くにおよぶ観測史上最長となり、政府は電力供給の逼迫による停電のリスクを警告した。
猛暑に見舞われる中、国政選挙まであと2週間を切ったが、政府の支持率が低下していることを示す世論調査では、有権者の選ぶ重要な争点として電気料金などの物価が挙げられており、東京都知事を始めとする政治家は、電気料金の引き下げを訴えている。
東京では最高気温35℃が3日続いた後、28日の最高気温も34℃と予想され、1875年に観測が始まって以来、6月としては最長の連続猛暑日を記録した。
2年以上続いているコロナ禍の名残として、首都圏では多くの人々が政府の忠告を軽視して屋外でもマスクの着用を続けていることから、熱中症による入院患者が朝から増加した。
政府は2日連続で、迫り来る停電を回避するために首都圏の消費者に節電を呼びかけた。猛暑に見舞われる中で国政選挙まではあと2週間を切ったが、政府の支持率が低下していることを示す世論調査では、有権者の選ぶ重要な争点として電気料金などの物価高騰が関心事項のトップに上がっている。
日本時間午前9時(グリニッジ標準時0時)の時点で、13人が熱中症の疑いで病院に運ばれたとフジニュースネットワークが伝えた。少なくとも2人が熱中症で死亡したとされ、政府は節電の呼びかけを控えざるを得なくなったとメディアは報じている。
萩生田光一経済産業相は記者会見で、「節電を呼びかけるがゆえにクーラーを止めてしまうお年寄りなどがいる。これだけ暑いですからエアコンはしっかり使っていただく」と述べた。
東京の28日夕方(16:30-17:00)の電力予備率は、27日夕方現在の予測では5%未満にまで下がっており、これは東京都と周辺8県に電力を安定供給するための最低予備率3%に近い数字になる。予備率3%を下回れば、電力不足や停電の恐れが発生する。
経済産業省は28日、予測は若干改善されたと発表したが、消費者には引き続き電力の無駄遣いを避けるよう呼びかけた。
27日の警告により、経済産業省を含む官庁は午後から夕方にかけて一部の照明を消し、経済産業省は建物内のエレベーターの25%を使用停止にした。
電気店も同様の措置をとり、通常は客の興味を引くために点けている売り場のテレビや他の商品の電源を切った。都民の中にも使用していない家電の電源をすべて切っているとSNS上に投稿する人がいた。
しかし、政治家たちはさらなる対策を要求し始めている。
小池百合子都知事は28日、東京電力の株式総会に出席し、電気料金の引き下げを要求したと出席後に語ったことをフジニュースネットワークが伝えた。東京電力は首都圏全域に電力を供給している。
7月10日の参院選では良い結果が予想されてはいるものの、岸田首相率いる与党は、物価高騰という逆風にさらされており、円安による輸入品の高騰がさらにそれを悪化させている。
公共放送NHKが6月24日から26日にかけて有権者を対象に実施した世論調査では、岸田内閣の支持率は55%であった先週から低下して50%になった。
岸田連立政権の連立パートナーである公明党代表の山口那津男氏は、27日の選挙演説の中で、節電をしようとして熱中症のリスクを冒さないようにと国民に警告した。
山口氏は、「私が本当に望むのは、政府が電力会社に料金を引き下げるよう要求することだ」と述べたと共同通信が伝えた。
「私は現在ヨーロッパを訪問中の総理に連絡をとりたいと思っている」と山口氏は付け加えた。岸田首相がG7首脳会議に出席していることに言及したのだが、これは総理大臣が選挙期間中に国を離れていることを意味し、通常では滅多にないことだ。
ロイター