




アラブニュース・ジャパン
東京: 都心の歴史ある緑とスポーツのエリアである神宮外苑の再開発計画に都民から反対の声が上がっている。東京都は神宮球場と秩父宮ラグビー場の再建計画を承認したが、これに約1000本のイチョウ並木の伐採が含まれていることに批判が集まっている。
米国出身の経営コンサルタントであるロッシェル・カップ氏と神宮外苑を守る有志ネット事務局の西川直子氏は、58.5ヘクタールの再開発計画を見直し、都心の神聖な緑地を保護するための運動の先頭に立っている。
「神宮外苑地区は都民が100年近く親しんできたサンクチュアリーだ」と西川氏は日本外国特派員協会での会見で訴えた。
都はイチョウ並木を保存または移転すると主張するが、カップ氏は、隣接するオリンピック競技場の建設でも多くの木が枯れたと指摘している。カップ氏はまた、神宮野球場はプロ野球リーグで使用された数少ない野外スタジアムの一つであり、かつてはベーブ・ルースがプレー、ファン投票で国内第2位の人気スタジアムに選ばれたことに言及した。彼女は米国のリグレー・フィールドやフェンウェイ・パークなどの歴史的なスタジアムが、再建ではなく改修によって保存されていると語った。
また西川氏は「神宮球場は築100年近くで良好な状態。壊すのではなくランドマークとして保存する必要がある」と述べた。
開発事業者は、2つのスタジアム、カフェ、ゴルフ練習場、テニスコート、ソフトボール場を取り壊した後、屋根付きのラグビー場、新しい野球場、ホテル、商店、高さ190メートルのオフィスビルを建設する計画だ。
カップ氏と西川氏は、都と事業者は開発計画を隠そうとし、都民の意見が反映されていないと非難、嘆願書にはこれまでに8万7000人が署名したと述べた。一方、西川氏は4672人が署名した請願書を提出した。都民を対象にした調査では、7割近くが開発計画に反対と回答した。
都は伐採計画を承認したが、環境影響評価(アセスメント)の審議は異例に長引いている。小池百合子都知事は、「都民の共感」を考慮するべきだとして、事業者に対して全ての情報を公開するよう要請した。