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新型コロナ患者数が増える中、イラク人はワクチンに対して依然懐疑的

2021年7月12日、首都バグダッドの市場通りの出店で客と話すマスク姿の店員。 (AFP)
2021年7月12日、首都バグダッドの市場通りの出店で客と話すマスク姿の店員。 (AFP)
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13 Jul 2021 06:07:19 GMT9
13 Jul 2021 06:07:19 GMT9
  • ワクチン接種が3月にワクチン接種が開始して以来、イラク保健当局は約4千万人の人口のうちわずか約1パーセントしか接種を完了できていない

バグダッド:戦火に焼かれたイラクでは一日当たり何千人もの新型コロナ新規感染患者が出ているが、マスクを着用する人はわずかで、ワクチン接種を受ける人はさらに少なく、「疫学的大惨事」を危ぶむ声が上がっている。

医療従事者が闘っているのはパンデミックだけでなく、偽情報や国家への不信によるワクチンへの懐疑的な態度のまん延だという。

「ワクチンもマスクも嫌いです」と36歳のネハド・サバ氏がバグダッドの路上で述べた言葉は、他の多くの人の意見でもある。「病気になることなど恐れていません」

現在イラクで一日当たり8,000人もの感染者が出ている新型コロナウイルスに感染するリスクがあることは認めつつ、「私はワクチン接種を受けません」と強調した。

ワクチン接種が3月にワクチン接種が開始して以来、イラク保健当局は約4千万人の人口のうちわずか約1パーセントしか接種を完了できていない。

何十年間にも及んだ戦争と内乱からいまだ経済復興中のイラクでは、140万人以上の新型コロナウイルス感染症患者と17,000人以上の死亡者を記録している。

しかしバグダッド中でマスク着用は厳しく守られなくなり、規制も相当ゆるくなった。
バグダッドのアル・キンディ病院を率いるサルマド・アル・カルルーシ氏は、今よりずっと多くの市民が接種を受けなければ、イラクは「疫学上の大惨事」に真っ逆さまに落ちていくと強く訴える。

「我々は第3波に入った。覚悟しなければならない」と、氏は述べた。

「災難をコントロールをするため、人々にワクチン接種を受けるよう勧告している」

同院の集中治療室のベッド54床は一年中満床で、長いウェイティングリストができている。

隔離されたコロナ病棟の一室では、肺に損傷を負って酸素吸入器を着けた20代後半の女性が苦しそうに息をしていた。

「入院して15日になります」と20歳の妹、ロカッヤ・アブデル・ムータレブさんが女性の腕をやさしくさすりながら言った。「世話をするため定期的に来ています」

アブデル・ムータレブさんはお母さんと交代でお姉さんの世話をしている。アブデル・ムータレブさんの姪と甥にあたる女性の子供たちは、お母さんが心配ながらも、ウイルス感染リスクがあるため病院に会いに来ることを禁止されている。

ワクチンについてどう思うか尋ねると、アブデル・ムータレブさんは「リスクが高すぎます…このワクチンは安全ではありません」と頑なに反論した。

国連世界保健機関(WHO)は、「認可を受けたコロナワクチンは感染による重症化や死亡から守る効果が高い」としている。

また、WHOのウェブサイトには、ワクチンは「自己免疫疾患を含む既往症を持つ人を含む、18歳以上のほとんどの人にとって安全である」と書いてある。

イラク保健省のサイーフ・アル・バドル報道官はワクチン接種に躊躇する一般の傾向の原因として、「ワクチンが到着する前に起こった偽情報キャンペーン」のせいだとして非難した。

医師すらも偽ニュースの拡散に加担している。一般開業医のハミド・アル・ラミ医師は、コロナウイルスは天然のハーブで治療可能だと主張し、5月に逮捕され診療行為を禁止された。

ワクチンに関する噂でもう一つ急速に広まったものは、不妊を起こすという根拠のない言いがかりだ。

何百万人もの熱狂的な支持者を擁する大衆主義の聖職者、モクタダ・サドル氏は当初米国製ワクチンを批判していたが、氏が4月に1回目の接種を受けると、接種の申し込みは著しく増加した。

人口の60パーセントを占める25歳未満の若いイラク人の間で特に、疑念と無関心が蔓延っている。

バグダッドの高級エリアでタバコを吸っていた若い男性二人のうち一人は、「政府のことも、政府が持ってきたワクチンの種類も信用していない」と語った。

イラクはこれまで、アストラゼネカ社製およびファイザー・ビオンテック社製を含む1800万回分のワクチンを発注している。

保健省のバドル氏は、「現在のところ感染者数は増加している一方、状況は制御できている」と述べた。

またバドル氏は、現時点では隣国のイランや世界中の多くの場所で猛威をふるう、感染力が非常に強いデルタ株は記録されていないと言う。

しかしバグダッドのアル・エスラア大学薬理学部長のコルード・アル・サラフ氏は楽観的な姿勢はとらず、感染者数の増加を抑えるために2週間のロックダウンを推奨する。

またアル・サラフ氏は、ワクチン接種についてイラク人に納得してもらうための取り組みの強化を求めた。

「みんな怖いのです」とアル・サラフ氏は言う。「人々はワクチンを打つより、感染して自然免疫を得るほうがいいと言います。これが多くの市民の考えです」

AFP

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