
政府は3日、ロシアの軍事侵攻を受けて閉鎖していたウクライナの首都キーウ(キエフ)の日本大使館を月内に再開する方針を固めた。
松田邦紀駐ウクライナ大使が近く現地に戻る。
政府関係者は「人員を徐々に戻していく」としており、ビザ(査証)発給などの領事業務再開へ向け、大使館の機能を段階的に元に戻す。
在ウクライナ大使館は、ロシアが侵攻した翌月の3月2日に一時閉鎖し、西部リビウに開いた臨時連絡事務所に機能を移転。
その後の情勢緊迫化に伴い、隣国ポーランド南東部のジェシュフに拠点を移した。
松田氏は8月22日~9月4日にキーウを訪問し、シュミハリ首相らと会談。
安全面など再開に向けた課題について意見を交わした。
政府は松田氏の報告を踏まえ、再開の可否を検討してきたが、大使館の警備など安全確保にめどが付いたと判断した。
岸田文雄首相は9月22日に米ニューヨークでシュミハリ氏と会い、同30日にはゼレンスキー大統領と電話で会談。
日本以外の先進7カ国(G7)は既に現地大使館を再開させており、ウクライナ側は日本にも期待を示していた。
7カ月ぶりの再開で、日本政府は現地での情報収集強化を図る。
来年、G7議長国を務めることを見据え、ウクライナを支える強い姿勢を示す狙いもある。
時事通信