経済産業省は5日、都市ガスの需給が逼迫(ひっぱく)した場合、国が使用量の多い大企業に使用制限令を出せるようにするガス事業法の改正案をまとめた。
都市ガスの原料として輸入している液化天然ガス(LNG)の安定調達に不透明感が強まる中、緊急時に需要を抑制する仕組みを整備する。
5日午前の自民党経済産業部会に提示し、了承された。
3日召集された臨時国会に提出し、早期成立を目指す。
都市ガスの使用制限令は、すべての家庭・企業による自主的な節約や大口企業に個別の需要抑制を求めても供給力が不足する際に、国が発動する。
改正案では、ガス不足が「国民経済および国民生活に悪影響」を及ぼす恐れがある場合について、「必要な限度」で使用制限を命じることができるようにする。
ロシアによるウクライナ侵攻で世界的にLNG争奪戦が激化する中、改正案では、民間会社による都市ガス用LNGの調達が難しくなった場合に国が代替調達する仕組みも盛り込んだ。
経産相が独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に対し、LNG調達を要請できるようにする。
これまでは発電用のLNG調達は要請できたが、都市ガス向けはできなかった。
時事通信