ドイツ人研究者が木曜日、中国中部で発生し日本に拡大した新型ウイルス向けに初めて診断テストを開発した、と述べた。
ウイルスは、中国の武漢市で去年初めて発見され、タイと日本で事例が報告されている。
日本の厚生労働省は木曜日、日本でコロナウイルスの初の感染例が確認された、と声明で発表した。声明は、東京の隣に位置する神奈川県の男性が、武漢市に渡航したという後にテストで陽性反応が出た、と述べた。武漢市では、男性が渡航する前に新型コロナウイルス株が原因と考えられる肺炎の発生があった。男性はその後、帰国してから発熱で入院した。
中国では、同ウイルスで数十人が体調を崩し、深刻な基礎症状が出た1名が死亡した。
ベルリンのシャリテー病院ウイルス学研究所のクリスチャン・ドロステン所長は、所長のチームが開発したテストを使うことで、研究機関が所謂新型コロナウイルスを確実に「非常に短時間で」診断できるようになる、と話した。
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によると、コロナウイルスは通常、一般的な風邪のような、軽度から中等度の上気道疾患を引き起こす。
しかし、CDCによるとこの分類に従えば、今回の謎のウイルスは中東呼吸器症候群(MERS)や重症急性呼吸器症候群(SARS)と同類となる。MERSとSARSでは共に、その発生時には最終的に数百人が死亡した。
試験手順は世界保健機関(WHO)を通して利用可能となり、研究機関は、患者のサンプルと陽性コントロールを比較するためにドイツの同チームから分子を取り寄せることができる。
「依頼を受け始めたところで、今、分子の発送を開始している」と、ドロステン所長はAP通信に話した。
これまで、医師は一般的なウイルステストを行ってからゲノムの配列を分析・解釈するしかなかった、と所長は述べた。また、規模が大きく設備の整った公的な研究機関にはこれができるが、小規模の機関には実施が困難だろう、と言い添えた。
「サンプルの輸送があまり容易でなかったり、スタッフがそこまでしっかり訓練されていなかったりする国々の研究機関について懸念しており、また、大人数の患者をテストしなければならないかどうかも心配している」と、2002年と2003年に数百人が死亡したSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行に言及しつつドロステン所長は話した。
SARSの共同発見者の一人であるドロステン所長は、この2つのウイルスは密接に関係しているため、SARSのコントロールサンプルを在庫に保有している研究機関はそれを使って今回の新型ウイルスを診断することができ、新たな性能テストを開発するのに要する時間をかけなくて済む、と語った。
AP通信