
岸田文雄首相は11日、葉梨康弘法相を更迭する方針を固めた。自身の仕事を「死刑のはんこを押すときだけニュースになる地味な役職」などと発言したことに批判が相次ぎ、政権運営への影響が不可避と判断した。
複数の政府関係者が明らかにした。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題で、10月24日に辞任した山際大志郎前経済再生担当相に続く閣僚辞任となれば、政権への大きな打撃となる。
首相は11日午前の参院本会議では、葉梨氏について「改めて職責の重さを自覚し、説明責任を徹底的に果たしてもらわなければいけない」と述べ、野党の更迭要求を拒否していた。
葉梨氏は同日の記者会見で「他のパーティーや地元の会合でも複数回発言した。不愉快な思いをさせ、おわびする。全ての発言を撤回する」と述べた。葉梨氏は「死刑はんこ」に加え、「外務省と法務省は票とお金に縁がない」などとも発言していた。これについても撤回した。10日の段階では撤回していなかった。
葉梨氏は衆院法務委員会で、「死刑はんこ」発言について、東京でのパーティーで4回、地元会合で複数回だったと明らかにした。一方、「国民のために仕事をすることでしっかりリカバリーしていかなければいけない」と述べ、辞任を否定した。
時事通信