岸田文雄首相は31日の衆院予算委員会で、長男で政務秘書官の翔太郎氏が欧米歴訪時に公用車で土産を購入したことについて、「政治家としての首相の土産を購入するのも、政務秘書官の本来業務に含まれ得る。公務だ」との認識を示した。立憲民主党の後藤祐一氏への答弁。
首相は、翔太郎氏は全閣僚への土産を購入したと説明。購入費用については「(首相)自身のポケットマネー」と語った。
松野博一官房長官や西村康稔経済産業相、公明党の斉藤鉄夫国土交通相らは31日の閣議後の記者会見で、首相からの土産を受け取ったと認めた。いずれも土産の内容については「プライベートに関すること」と明かさなかったが、男性閣僚の一人はネクタイをもらったという。
野党は一斉に批判した。後藤氏は衆院予算委で「プライベートの土産を買うことが公務なのか。公私混同だ」と追及。国民民主党の玉木雄一郎代表は会見で「外遊時に土産を買って配る文化はやめるべきだ。古い政治から脱却するいいチャンスだ」と訴えた。立民の岡田克也幹事長は、内閣の申し合わせなどで取りやめるのも選択肢だとした。
首相らの外国訪問の際、ネクタイなどを土産として購入し関係者に配るのは、半ば慣例となっていたとの指摘もある。自民党の遠藤利明総務会長は会見で「私も海外に行ったときに、先輩に名産品を買ったりする。決しておかしなことではない」と理解を示した。党幹部の一人は「お土産購入は政務秘書官の雑用の一つ。公務員にはさせられない」と語った。
時事通信