
石油資源開発(JAPEX)は10日、天然ガスおよび電力の国内販売価格上昇を見込み、通年純利益予想を13%上方修正した。また、年間配当予想も引き上げた。
2023年3月期の最終利益は過去最高の600億円(4億5800万ドル)になる見通しとして、11月予想の530億円から上方修正した。
年間配当予想は1株あたり330円と、従来予想から30円の増額修正となった。
取締役常務執行役員の山下通郎氏は記者会見で、「液化天然ガス(LNG)の価格上昇が利益を押し上げた最大の要因だった」と述べた。
また、日本の今年度のLNG輸入価格はLNGのグローバルスポット価格高騰を反映して上昇しているが、JAPEXは主に期間契約で購入しているため調達コスト高騰を回避できたとした。
一方、JAPEXによる天然ガスおよび電力の国内販売価格は日本のLNG輸入価格を反映して上昇し、同社の利益を押し上げた。
4~12月期の純利益は433億円で、前年同期の851億円の損失から一転した。
ロシアの石油・天然ガスプロジェクト「サハリン1」の株式を30%所有する日本の合弁企業サハリン石油ガス開発(SODECO)への出資からの寄与が低下したにもかかわらず、今回の楽観的な見通しとなった。
山下氏によると、SODECOがロシアによるサハリン1の新事業体に参加する前の1~10月期にJAPEXがこの出資から得た利益は42億円と見込まれる。
以前はエクソンモービルが主導していたこのプロジェクトへの出資から、JAPEXは昨年度に124億円の利益を計上した。
SODECOは昨年11月から新事業体およびロシア政府との間でサハリン1の今後の運営について交渉を続けていると山下氏は述べた。
ロイター