
昨年、岸本聡子氏は東京23区の一つである杉並区の史上初の女性区長となった。岸本氏は現在、首都東京のたった三人の女性区長のうちの一人である。
区長に就任し、男性中心的な日本の政治の打倒を掲げた当初は、非難の声が少なくなかった。
48歳の女性としての区長の仕事は「それだけで難しいものだ」と岸本氏は語る。
「私は官僚出身でもなく、政治家でもありません。人々は話を聞いてくれはしますが、そう簡単には理解を得られません」とBBCに語った。杉並区では、行政幹部の多くを占めるのは男性である。
岸本氏によれば、気候変動、多様性、ジェンダー平等といった問題の解決には高齢者による政治の壁が立ちはだかっており、職員ともにもどかしい思いをしている、と言う。
杉本氏は、過去20年間にわたってヨーロッパで海外生活をしてきた。岸本氏がBBCに語ったところによると、自分を「よそ者」と考える初めての区長として、それこそが自分の強みの一つだ、と言う。
「私には他の人にないものがあります。私は距離を置いたところから日本社会を見てきました」と語り、その「国際的な目」によって、日本が抱える問題を客観視することができている、と述べる。
岸本氏によれば、日本には女性が家事をすべきという古くからの社会規範があり、それが女性の政治の場におけるキャリア構築を「非常に難しい」ものにしていると言う。
政治の場で活躍する女性としては他にも、東京都町田市議会議員の東友美氏がいる。彼女は最近、2期目に向けて再当選を果たした。
日本の政界に身を置く女性としての経験について、最も衝撃を受けたのは「身体的ハラスメント」だったと東氏は語る。
「老人男性からの無数の中傷に晒されました。演説中、男性らが至近距離まで近づいてきて妨害してきたり、深夜に飲み会に駆り出されたり。そういう時、男性社会を痛感しました。それで私は目が覚めました」東氏はそのようにBBCに打ち明けた。
東氏は、他の女性市議会議員や弁護士、研究者からなる、女性議員のハラスメント相談センターを呼ばれるウェブサイトを開設した団体に加入した。
女性が安心、安全に政界へ進出する環境を整えるのが団体の目的である。
3月8日、松野博一内閣官房長官は、日本における賃金格差や社会問題に対する姿勢の是正のためにすべきことはまだ多い、と述べた。
「我が国における女性をとりまく状況は非常に厳しく、問題とされてきたことである」と松野官房長官は述べた。「我々の行った政策によって、女性の雇用は増加した。しかし、出産とともに一時雇用に切り替えるケースが多いことも事実で、これを是正する政策は未だ道半ばである」