
1日午前8時10分ごろ、福島県郡山市三穂田町下守屋の田んぼに、臓器移植用の心臓を搬送していた同県警航空隊所属のヘリコプター「あづま」が墜落した。ヘリには県警の5人と医師、看護師の男性計7人が搭乗し、30代男性の医師ら2人が重傷。県警や消防が詳しい状況を調べている。
県警などによると、県警は地域企画課の村上祐司課長(59)や総合運用指令課の小池健貴操縦(38)ら20~50代の5人が搭乗。
会津若松市の竹田総合病院から、臓器移植用の心臓を東大病院(東京都文京区)に運ぶため、ヘリポートがある同市の会津中央病院を1日午前8時ごろに出発し、福島空港に向かう途中だった。
7人とも全員意識はあり、現場周辺の住民にけがはないという。
心臓は事故現場から県警のパトカーで福島空港に搬送。
臓器移植の担当者に受け渡されたが、移植手術は医学的理由から断念された。日本臓器移植ネットワークによると、臓器提供者は50代男性。
1月30日に脳死と判定され、心臓は1日、別の50代男性に移植される予定だった。
同ネットワークは「摘出から時間が経過していることや移植後の状態が保障できないため断念した」としている。
国土交通省によると、機体後部が破断したほか、メインローターが折れるなどしており、複雑な修理が必要。同省は航空事故に当たると判断した。
運輸安全委員会は1日、事故原因調査のため、担当調査官2人を指名した。
現場はJR須賀川駅から北西に約12キロ離れた田んぼなどが広がる地域。