
安倍晋三元首相が奈良市内で街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、奈良地検は30日、無許可で銃を製造した武器等製造法違反、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設が入る建物を銃撃した建造物損壊などの罪で、無職山上徹也被告(42)=殺人罪などで起訴=を追起訴した。
選挙の自由を妨害した公選法違反については嫌疑不十分で不起訴処分とした。
憲政史上最長となる通算8年8カ月にわたって首相を務めた安倍氏が凶弾に倒れた事件の全容解明は、法廷に舞台が移される。
捜査関係者によると、山上被告はこれまでの奈良県警の調べに、旧統一教会関連施設への銃撃について「手製銃の試し撃ちをした」と供述。県警は同被告の自宅から押収した銃6丁の発射実験などを行い、殺傷能力があったことを確認した。
山上被告は、奈良市の近鉄大和西大寺駅前の路上で昨年7月8日、参院選の応援演説をしていた安倍氏を銃撃して殺害したとして、今年1月13日に殺人と銃刀法違反の罪で起訴された。
県警は2月13日、公選法違反や武器等製造法違反などの容疑で追送検していた。
時事通信