
アクラ時事:アフリカ西部ガーナを訪問中の岸田文雄首相は1日午後(日本時間2日午前)、同国のアクフォアド大統領と首都アクラで会談した。国連安全保障理事会改革など国連の機能強化に向けた連携で一致。核・ミサイル開発を進める北朝鮮への対応でも協力することを確認した。
日本とガーナは現在、国連安保理の非常任理事国を務めている。大統領は共同記者発表で、「現在の安保理(常任理事国)は第2次世界大戦の勝利国であり、現実を反映していない。改革を何としても進めなくてはならない」と語った。
両首脳は会談でウクライナ危機についても協議し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認した。
ロシアによる侵攻について、大統領は「大国が小国を踏みにじる、明確な形で国際法違反が許される世の中であってはならない」と批判。首相も「主権や領土一体性といった国連憲章の原則すら否定する動きは許されない」と訴えた。
首相はアフリカ・サハラ砂漠南部一帯のサヘル地域の安定のために、今後3年間で約5億ドルの支援を行うことも表明した。
首相は会談に先立ち、ガーナで黄熱病の研究中に亡くなった野口英世博士の功績を記念するガーナ大学「野口記念医学研究所」を視察した。
日本の首相によるガーナ訪問は、2006年5月の小泉純一郎元首相以来で約17年ぶり。
時事通信