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処理水放出についてIAEA事務局長が福島県民に説明

破壊された原子力施設に溜まった水の放出は数十年単位で計画されているが、国際原子力機関(IAEA)は世界的な基準を満たしていることを認めた。(AFP)
破壊された原子力施設に溜まった水の放出は数十年単位で計画されているが、国際原子力機関(IAEA)は世界的な基準を満たしていることを認めた。(AFP)
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05 Jul 2023 08:07:53 GMT9
05 Jul 2023 08:07:53 GMT9

日本・いわき市:5日、国連の核監視機関のトップが福島の住民や代表者と面会し、現地の原子力発電所からの処理済み汚染水の放出計画について理解を得ようとした。

破壊された原子力施設に溜まった水の放出は数十年単位で計画されているが、国際原子力機関(IAEA)は世界的な基準を満たしていることを認めた。

しかしながら、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は福島県いわき市での会合において、懸念が残っていることを認めた。

「これらのすべての複雑なグラフや統計はひとつのデータです。しかし、現実や人々の現実、経済の現実、社会の雰囲気の現実、捉え方は異なるかもしれません」。地元の住民や職員との会合で事務局長はそう述べた。

地下水や雨水のほか、原発の冷却に使用された水が福島の現場に計133万立法メートルほど蓄積している。2011年の津波で発電所が大きく損傷し、複数の原子炉がメルトダウンした。現在は廃炉作業が進んでいる。

発電所を運営する東京電力はALPS処理装置で水を処理し、トリチウム以外のほぼすべての放射性物質を取り除いている。今後数十年にわたって海に放出する計画だが、放出前に希釈を行う。

いくつかの隣国が計画に反対しており、中国政府は声高に非難している。また、特に漁業関係者など、福島の一部の住民も反対している。漁業者は、収穫物が消費者から敬遠されることを恐れている。

グロッシ事務局長は、IAEAは「何かを覆い隠したり、悪いことを糊塗したりような」プロセスには関与していないと述べた。

「ここでの活動に関しては、現在起きていることは例外ではありません。この場に適用したり、皆さんを納得させたりするためだけに考案されたおかしな計画などではありません」

「IAEAが認定した通り、これは一般的なことであり、世界各地の本当にたくさんの場所で同意され、観察されていることです」

それでも、放出による風評被害を心配する一部の地元住民から、明確な怒りが表明された。

福島県漁連の野崎哲会長は、地元はいまだに計画に強く反対しているが、日本政府はその思いを歪曲して伝えていると主張した。

会長は「私たち漁業者には、感情的に反応し、態度を硬化させる選択肢しかありません」と事務局長に語った。

「理解していただきたいのは、このALPS処理水の放出計画は反対の中で進められているということです」

事務局長は懸念を和らげる「魔法の杖」は持っていないとしたうえで、IAEAが数十年間にわたって放出を点検する恒久的な拠点を構えると説明した。

そして「私たちは今後数十年間、原子炉周辺に溜まった水の最後の1滴が安全に放出されるまで、皆さんとともにこの地にとどまります」と語った。

事務局長は5日に福島原発を訪問することになっており、日本訪問後は韓国などの近隣諸国も巡る予定。

AFP

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