
東北地方では16日午前も秋田県を中心に梅雨前線の影響で断続的に雨が強まった。同県では15日からの記録的な大雨で太平川など河川の氾濫が多発。秋田市中心部などで浸水や冠水が生じており、気象庁は引き続き厳重な警戒を呼び掛けた。秋田県の大半と岩手県西部、山形県北部には土砂災害警戒情報が出された。
秋田県五城目町では16日朝、農地で水没した車から男性1人が見つかり、現場で死亡が確認された。同県八郎潟町の60代男性と連絡が取れておらず、県警が身元の確認を進めている。
秋田市と五城目町、三種町、八郎潟町、上小阿仁村の秋田県内の5市町村では、5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」の発令が続いた。能代市でも16日午前まで発令されており、総務省消防庁の午前4時のまとめでは、対象は6市町村で約7200世帯の計約1万4000人だった。同県では避難指示も約8万3700世帯の計約17万1800人に発令された。
八峰町では断水が発生し、県知事から要請を受けた陸上自衛隊が、給水車と隊員6人を派遣した。
秋田市(仁別)では午前11時40分までの48時間雨量が410.5ミリ、秋田県藤里町では321.5ミリに上り、いずれも観測史上最多記録を更新した。
JR東日本によると、秋田新幹線は盛岡―秋田間で終日運転を見合わせる。
日本海から東北北部に延びる前線に向かい、暖かく湿った空気が太平洋高気圧の縁を回るように西側から入り込んで大雨をもたらしたが、前線は16日夜にはっきりしなくなる見込み。17日午前6時までの24時間予想雨量は多い所で、東北の日本海側80ミリ、太平洋側40ミリ。
時事通信