
日本海で20日から続けられた中国とロシアの海上合同軍事演習「北部・連合2023」が23日、終了した。ロシア国防省が発表した。演習は「アジア太平洋地域の安定と平和の維持」をうたったが、ウクライナ侵攻などを背景に、日米韓のけん制を狙ったもようだ。
日米などの「自由で開かれたインド太平洋」戦略について、中ロは足並みをそろえて「アジア版北大西洋条約機構(NATO)をつくる試み」と非難している。
演習には中ロ海軍の約10隻が参加。終了後、共に太平洋艦隊の母港・極東ウラジオストクに向かったという。
ロシア側の一連の発表によると、中ロ海軍は「海上、沿岸、空中の標的への砲撃を含む約20の戦闘訓練」を合同で実施した。ただ、ミサイルの演習は「電子発射」と呼ばれる実弾を使用しないシミュレーションが中心で、弾薬不足を反映した可能性もある。ウクライナ侵攻で実戦投入されているドローンの破壊訓練も行われた。
中ロ海上合同軍事演習は、過去にもほぼ同等の隻数で実施。今回、太平洋艦隊旗艦のミサイル巡洋艦「ワリャーグ」は参加せず、大型対潜艦「アドミラル・パンテレエフ」などにとどまった。ロシア単独の太平洋艦隊の演習は今年4月に167隻、6月に60隻以上が参加しており、規模がはるかに大きい。
時事通信