
政府は3日、日本で生まれ育った在留資格のない外国人の子ども約200人について、家族に重大な犯罪歴がないなど一定の条件を満たせば「在留特別許可」を付与し、国内滞在を認める方向で調整に入った。複数の政府・与党関係者が明らかにした。斎藤健法相が4日にも発表する。
外国人の収容・送還ルールを見直す改正入管難民法が先の国会で成立し、難民審査中でも申請が3回目以降なら外国人を強制送還することが可能になった。これに伴い、日本でしか暮らしたことのない子どもが親と共に送還される恐れが出てきたことから、一定の救済措置を講じる。
国外退去を拒否する送還忌避者のうち、日本で生まれた18歳未満の子どもは昨年末時点で201人。これらの子どもは在留資格を持っておらず、学校教育は受けられるが、許可を得ない限り居住する都道府県から移動できない。在留特別許可を得れば一定の権利を認められる。
政府は不法滞在を除く犯罪歴が家族にないことなどを在留資格付与の条件とする方針。約200人のうちの7~8割が在留特別許可を取得する見通しだ。家族が離散しないよう配慮する。
改正入管難民法を巡る修正協議で、立憲民主党は約200人の救済を自民党に要求。自民は一時、同法が定める在留特別許可の考慮事情に「子どもの利益」を追記し、約200人に在留特別許可を与える姿勢を見せたが、立民が修正協議から離脱したため、追記部分を白紙に戻した。
約200人の扱いについては、斎藤法相がその後の記者会見で「在留資格がない子どもは何とか救いたい。できるだけ早く結論を出せるよう精査していきたい」と述べていた。
時事通信