
東京:日本の財務省は8月3日、円が1か月ぶりの安値水準を付け、市場が為替介入を警戒する中、ソーシャルメディ「X」(旧ツイッター)における財務省の神田真人財務官の偽アカウントについて警告した。
同省はXへの投稿としては珍しい英文で、「なりすましアカウントをフォローしたり、投稿にコメントしたりしないでください」とし、神田氏または同氏スタッフのものとされるそのようなXアカウントは存在しないと訴えた。
同省はXの公式アカウントで「現在、X(旧Twitter)に対し、なりすましアカウントの停止を要請しています。ご協力に感謝いたします」と伝えた。
Therefore, the impersonation account has nothing to do with both Mr. Kanda and MOF. Please don’t follow the impersonation account and/or comment on the post. MOF is currently requesting that X (formerly Twitter) suspends the impersonation account. Thank you for your cooperation.
— 財務省 (@MOF_Japan) August 3, 2023
名前「Masato Kanda」、ユーザー名「@Jgghkj_」で3月に作成されたとみられるこのアカウントでは、3月1日に投稿された神田氏の写真3枚など、これまで投稿されたのは5件のみである。午後3時56分(0656 GMT)の最新投稿は、神田氏の最近のウクライナ訪問を装ったものとみられる。
財務省の発表によると、神田氏は8月2日、日本のウクライナ支援を説明するため同国を訪れていた。
この偽アカウントは約5,000人のユーザーをフォローし、550人強がフォローしているが、円や金融市場については一切発言していない。
日本の財務省財務官(国際担当財務事務次官)である神田氏は、昨年以来、円の急落を食い止めるための日本の取り組みにおける中心的な存在で、昨年末には記録的な政府・日銀のドル売り・円買い介入を監督した人物である。
日銀で7月27〜28日に開催された金融政策決定会合に先立って神田氏は、当局が円の過剰な変動に対処するためにあらゆる選択肢を検討すると市場に警告したほか、日銀の政策の微調整の可能性もあるという珍しい発言をした。
日銀は先週、金利上限を拡大する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の微調整を決定し、市場を驚かせた。
日銀が10年国債利回りの上昇を抑制するために臨時の国債買い入れオペを通告したことを受け、8月3日には円が下落し、7月7日以来の安値となる1ドル=143.89円を付けた。
昨年9月に1ドル145円台を突破した際、政府と日銀は1998年以来初となる円買い・ドル売り介入に踏み切った。円相場が再び1ドル145円台近づいていることから、市場は財務省の次の動きに注目している。
ロイター