
政府は18日、新型コロナウイルス感染症対策本部(本部長・安倍晋三首相)の会合を首相官邸で開き、国内で進む感染拡大の抑制策を協議した。首相は国民に向けて「発熱など風邪の症状がみられるときは、学校や会社を休み、外出を控えてほしい」と要請。大規模イベントの延期も検討するよう呼び掛けた。
首相は病欠について「感染拡大の防止につながる大切な行動だ」と指摘。「生徒や従業員が休みやすい環境整備が大切だ」と述べ、テレワークなど柔軟な対応を学校や企業に求めた。
大規模イベントに関しては、「開催時期の見直しの必要性も含め、適切な情報提供を速やかに行ってほしい」と各閣僚に指示した。
菅義偉官房長官は18日の記者会見で、全国に設けた「帰国者・接触者相談センター」に16日までに4885件の相談が寄せられ、126件を「帰国者・接触者外来」に引き継いだと説明。これまでに医療機関に患者が殺到するなどの混乱は起きていないと指摘した。
集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、ウイルス検査の結果が陰性だった人の下船が19日から始まる。政府は18日、大詰めの作業を進めるとともに、自国民退避のため特別機の派遣を希望するカナダ、オーストラリア、イタリア、韓国、香港などと調整を進めた。河野太郎防衛相は同日夜、乗客の医療・生活支援に当たる自衛隊員を激励した。
政府は空港などでの水際対策も続行。出入国在留管理庁の18日の発表によると、中国湖北省への滞在歴などを理由に日本入国を許可しなかった外国人は、17日までで107人に上っている。
JIJI Press