
東京:日本の防衛省は、北朝鮮の脅威と中国の軍事力の拡大に直面する日本の防衛力の強化に向け、最新レーダーと長距離巡航ミサイルを搭載した軍艦2隻を含む、12%近い予算増額を求めた。
2024年度の予算要求額は過去最大となる7兆7,000億円 (525億ドル) となる。12月に岸田文雄政権が採択した新国家安保戦略の下での急速な防衛力強化の2年目にあたる。
戦後の日本の 「自衛のためだけの軍隊」 という原則から脱して、戦闘力の強化に重点を置いている。
この5年間の計画では、日本は2027年までに43兆円(3,150億ドル)を投じて年間支出を約2倍の約10兆円(680億ドル)に増やす計画で、米国、中国に次ぐ世界第3位の支出国となる。急速に少子化が進み、高齢化で介護費用が増大する日本で、増大する軍事費をどのように賄い、正当化するかは不透明だ。
予算要求は31日の防衛省の会議で承認され、交渉に向けて財務省に提出された。
この要求には、2027年と2028年に配備されるイージス・レーダー搭載艦2隻の建造に着手するための4,900億円(33億5,000万ドル)という巨額の予算と、イージス・レーダー搭載艦に関連する訓練や試験などの費用が含まれている。
各艦は240人の乗員を乗せ、米国製のトマホークや、2032年に配備が計画された国産の「12式」地対艦ミサイルの改良型を含む長距離巡航ミサイルを発射するように設計されており、水上ミサイル基地のような役割を果たす。
各艦にはSPY-7レーダーが搭載され、高アーチ軌道を含む探知が困難なミサイル発射の位置を特定できる。北朝鮮は、周辺国を避けるためにミサイルを高角で発射実験することが多い。日本は以前、陸上用にSPY-7を発注していたが、受け入れ地域の安全上の懸念から計画を破棄せざるを得なかった。
日本は2026年から2027年の配備に向けて、今年321兆円 (22億ドル) を投じて400機のトマホークを購入し、既存の護衛艦に搭載できるように改修している。
防衛省は2024年度予算要求で、特に台湾有事の際に最前線になると懸念される日本の南西諸島防衛のため、遠方の目標を攻撃する 「スタンドオフ」 能力の開発・獲得に7,550億円 (51億7,000万ドル) を求めている。極超音速誘導ミサイルの開発・生産費として約800億円 (5億4,700万ドル) を要求した。
ミサイル防衛全般では、イージス艦の配備も含めて1兆2,700億円(86億9,000万ドル)の支出を要求している。また、中国、北朝鮮、ロシアが開発中の極超音速ミサイルに対抗するため、2030年ごろに配備される滑空段階迎撃ミサイルの米国との共同開発費として750億円 (5億4700万ドル) を要求している。
日本政府は、現在、殺傷兵器の輸出を禁止している防衛装備移転政策を緩和し、一部の防衛装備を認める準備を進めている。国内での防衛装備品の開発と生産の必要性から、防衛省は日本の脆弱な防衛産業の強化を目指しており、装備品開発のために新たに540人の職員を追加している。
政府はまた、防衛省が720億円(4億9,000万ドル)を要求している三菱重工業の次世代戦闘機のイギリス、イタリアとの共同開発が、日本の防衛産業の成長に役立つことを期待している。
南西方面への迅速な展開・輸送能力を強化するため、防衛省は2025年に山口県呉市を拠点に、陸上・海上・航空の3つを統合した海上輸送部隊を新設し、輸送船3隻とボーイング・チヌーク17機を購入する計画だ。
AP