
ニューヨーク:カタール外務省のマジド・アル・アンサリ報道官は20日、最近イランと米国の間の囚人交換取引を仲介したカタールには国際的仲介者としての役割を引き受ける用意があると述べた。
アル・アンサリ報道官は、ニューヨークで開催された中東グローバルサミットで次のように述べた。「仲介者としての我々の仕事は、囚人らの帰国を確認し、凍結解除資金の人道目的での使用の確実性を確保することだ。確実性というのは、イランがそれを使用できることを保証するという意味において、またそれが米国の制裁対象となっている行為に使用されないようにするという意味においてだ」
アル・アンサリ報道官は、カタールのシェイク・ムハンマド・ビン・アブドルラフマン・ビン・ジャーシム・アール・サーニー首相兼外相の顧問も務めている。
同報道官は、イランと米国の二重国籍者5人と、米国の制裁に違反した罪で米国内で拘留されていたイラン人5人が交換された今回の囚人交換は、凍結解除資金が不正な目的に使用されないようにするための多くの予防手段を伴って実施されたと述べた。この取引の最終段階として、イランの凍結資金60億ドルが凍結解除されドーハの銀行に送金された。
同報道官は他にも、カタールの仲介役としての努力の例として、ダルフール、ジブチ、エリトリア、チャド、コンゴ民主共和国などの紛争におけるそれを挙げた。
また、カタールはアフガニスタンで2021年にタリバンが復権した時やその後にも仲介役を務めたと指摘したうえで、カタールの役割に対しては批判もあったものの、タリバンと関与したことは孤立させることよりも望ましかったと述べた。
「国際社会の関与が容易でない状況であることは理解している。しかし完全に孤立させることは解決にならない。今まで上手くいかなかったし、今後も上手くいかないだろう。アフガニスタンの政府を、同国の女性や子供たちの人権に関心がない他国の手に渡してしまうことになる」
さらに、カンダハールでのカタール首相とタリバン指導者との会談は、アフガニスタン指導者と外国高官との史上初の会談であったことを指摘した。
アル・アンサリ報道官は、貿易、特に中国の国際貿易における支配的な役割について、同国を孤立させることは不可能だと述べた。
「中国は世界最大の生産国の一つだ。我々はずっと同国を必要とするだろうし、同国もずっと我々を必要とするだろう」。しかし、「政治的な問題に経済的圧力が使用されるのを容認すべきではない。エネルギーは武器化されてはならない。貿易は武器化されてはならないのだ」