
パリ:9月30日、イラン南東部でデモ隊が1年前に抗議デモに参加して殺害された数十人を追悼する中で、治安部隊が数十名を逮捕した。人権団体が明らかにした。
ノルウェーを拠点とするNGOイラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によると、「血の金曜日」として知られる昨年9月30日、スィスターン・バルーチェスターン州の主要都市ザーヘダーンで治安部隊がデモ隊に発砲し、少なくとも104人が殺害された。
この暴力行為の起きた9月30日は昨年イランで勃発し、数か月続いた抗議デモの中でも、もっとも多くの犠牲を出した日であった。
ザーヘダーンでの抗議デモは警察署長が拘留中の10代の少女をレイプしたという報道を引き金として始まり、9月16日のマフサ・アミニ氏の死をきっかけとする全国規模のデモと並行する形で起きた。アミニ氏は当時22歳のクルド系イラン人で、テヘランでイランの服装規定に違反したとして逮捕されていた。
活動家たちは以前から、スィスターン・バルーチェスターン州に暮らすバローチの人々が差別に苦しんでいると訴えてきた。バローチの人々はイランで主流のイスラム教シーア派ではなく、イスラム教スンニ派の教えを忠実に守っている。
バローチに焦点を置く人権団体Haalvshによると、治安部隊は追悼のためにザーヘダーンに集まった抗議デモ参加者を追い散らすために、2日連続で催涙ガスと実弾を発射した。
Haalvshによれば、30日は終日、ザーヘダーンおよび他の町でゼネストが行われ、「数十」の人が逮捕されたという。
Haalvshはザーヘダーンに厳戒態勢が敷かれる中、銃声が聞き取れる映像を投稿した。
人権団体「バローチ活動家運動」によると、治安部隊は29日の時点ですでにデモ参加者を追い散らすために実弾を使用しており、子供を含む少なくとも25人が負傷した。30日の騒乱による死傷者について、直接の言及はなかった。
抗議運動はイランの他の地域では縮小しているが、ザーヘダーンの住民は過去12か月間、毎週金曜日に抗議を行ってきた。
ザーヘダーンで金曜礼拝を指導するモラヴィ・アブドルハミド師は、過去1年の間デモへの支持を公言してきたが、「血の金曜日」に対する正義をあらためて求め、忠実な信徒たちに「自分の権利を知る」よう呼びかけた。
29日にソーシャルメディア上に投稿された映像には、病院が子供を含む負傷者であふれ、通りでは銃声が轟く中で人々が安全を求めて逃げ惑う混沌とした場面が映し出されている。
IHRによると、ザーヘダーンおよび他の都市のデモ隊は「再び残忍に鎮圧され」、治安当局は「実弾と散弾、催涙ガスを丸腰のデモ参加者に向けて用いた」
イラン人権センター(CHRI)のハディ・ガエミ事務局長は「無差別の暴力の恐るべき誇示…国家が平和なデモ隊を抑圧しようと試みている」状況を非難している。
「国際社会はこの暴力に光を当て、国際管轄権の原理を発動して国際法廷でイラン当局者の責任を問わなければならない」とガエミ氏は述べた。
AFP