
エルサレム:3日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、エルサレム旧市街でユダヤ教徒の参拝者がキリスト教徒の巡礼者に唾を吐きかける動画が出回ったことを受け、信者への攻撃を「一切許さない」と誓った。
ネタニヤフ首相は、「私は参拝者に危害を加えようとするあらゆる動きを強く非難し、そのような行為に対しては緊急の措置を講じる」と述べた。超正統派と極右政党を含む同首相の連立政権は、イスラエル史上最右派とも言える政権である。
首相は、「参拝者に対する攻撃的な行為は冒涜であり、容認できない。私たちは、参拝者に対する加害行為を一切許さない」としたが、具体的な行為には言及しなかった。
首相が声明を発表したのは、超正統派ユダヤ教徒が、エルサレムのヴィア・ドロローサ(キリスト教でイエスが十字架にかけられる前に歩いたとされる道のり)で十字架を背負った巡礼者の足元に唾を吐きかける様子をとらえた動画がソーシャルメディアに投稿された翌日のことだった。
AFPは、旧市街でユダヤ教徒がキリスト教徒を侮辱したり攻撃したりする同様の映像に続いて投稿されたこの動画を現時点では確認できていない。
1967年にエルサレムを占領したイスラエルは、旧市街を含む東エルサレム地区を併合したが、その動きは国際社会には認められていない。
旧市街は依然としてイスラエルとパレスチナの紛争、世界三大一神教間の緊張関係の中心地である。
先月、ラテン・エルサレム総主教ピエルバティスタ・ピザバラ大司教は、旧市街におけるキリスト教徒への攻撃は「今に始まったことではない」ものの、「近年」頻度が増していると述べた。
9月30日に教皇フランシスコが枢機卿に任命したピザバラ大司教は、攻撃の増加には教育をはじめ、多くの理由があると述べた。
そして、「攻撃を煽る、あるいは少なくとも認めているラビもいます」と説明した。
「私たちは、過去のユダヤ教徒とキリスト教徒の関係が、外交的に単純な話ではなく、そのすべてが現在のような状況を生み出していることを忘れてはなりません」
大司教はまた、「このできごと」の頻度については、「少なくとも一時的には今の(イスラエル)政府と関係がある」とも述べた。
嘆きの壁のラビ、シュムエル・ラビノビッツ師は、3日に出した声明の中で、「旧市街の信者に対する加害とあらゆる形態の暴力を最も強い言葉で」非難した。
師は「あらゆる宗教の指導者たち」に向け、「旧市街の微妙ななりたちを守るため、全力を尽くさなければならない」と述べた。
AFP