
テヘラン:イランの地元メディアは11日、首都テヘランの地下鉄で暴行を受けたとみられる16歳の少女の容態が「悪化した」と伝えた。少女は昏睡状態に陥っていた。
国営イラン通信(IRNA)によれば、アルミタ・ガラワンドさんは低血圧が原因で失神した。
だがクルド人の人権団体は、ガラワンドさんはイランの女性に対する厳しい服装規定を守っていなかったために女性警官と口論になって負傷したとみている。
「ファジル病院の医療関係者の不断の努力にもかかわらず、アルミタ・ガラワンドさんの比較的安定していたバイタルサインはこの2〜3日で変化し、悪化した」と、スポーツ省傘下のボルナ通信社は伝えた。
「それでも医療チームはアルミタ・ガラワンドさんの容態改善に向けた努力を続けている」とボルナ通信社は伝えた。
ガラワンドさんはテヘラン在住だが、出身地は500キロメートルほど離れたイラン西部のクルド人が多く住む町、ケルマーンシャーだ。
ガラワンドさんが暴行された時の様子を撮影したとされる動画がソーシャルメディアに出回ったことで、ドイツや米国を初めとする西側諸国や人権団体からは懸念の声が上がっている。
昨年9月、同じくクルド系イラン人の女性マフサ・アミニさんが、女性に対する厳しい服装規定を守らなかったことが原因で命を落としたとされる事件は、大規模な抗議活動を引き起こした。
アミニさんはテヘランの地下鉄駅近くで逮捕された。
ガラワンドさんは女性警察官によって地下鉄の車内に押し込まれたという。事件当時、ガラワンドさんは友人たちと一緒におり、スカーフを頭に巻いていなかった。
イランの外務省報道官は先週、ガラワンドさんの件について西側諸国から挙がっている声を「内政干渉主義」だと批判した。
テヘランの地下鉄の責任者も、アルミタさんと他の乗客または職員の間で、言葉であれ身体的なものであれ、いかなるトラブルもなかったとの立場だ。
IRNAはこの後、ガラワンドさんの友人だという2人の少女に対する取材記事を発表。2人は地下鉄の主張を認めたという。
AFP