
リヤド:イスラエルがハマスの奇襲攻撃を受けて数日間空爆を続けているガザに輸送するための最初の人道支援物資が12日にヨルダンからエジプトのシナイ半島に到着したと国営メディアが報じた。
戦争によるパレスチナ人負傷者の増加に対応するため、ヨルダンの飛行機は、ヨルダン外務省とヨルダン空軍の協力のもと、ヨルダン・ハシェミット慈善団体(JHCO)が準備した必要不可欠な医薬品を運んでいるとヨルダンの国営ペトラ通信が伝えた。
イスラエル軍は、ハマスの武装集団が週末の攻撃で1200人のイスラエル人(主に民間人)を殺害し、約150人の人質を取った後、広く予想されている、人口が密集するガザ地区への地上侵攻に先立ち、数千回の攻撃でハマスに打撃を与えている。
ハマスの武装集団が前例のない攻撃を開始してから6日間、イスラエルがガザの市街地を空爆し何千もの建物を破壊する中、ガザでは1350人以上のパレスチナ人が死亡した。
エジプト外務省は12日の声明で、ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所から50キロメートル(30マイル)離れたエル・アリーシュ空港が、「エジプト当局によって、さまざまな当事者や国際機関からの国際人道支援物資を受け入れるための空港に指定された」と述べた。
イスラエルの支配が及ばないガザへの唯一の入り口であるラファ検問所が、イスラエルによる3回の空爆を受け、閉鎖されたため、支援物資がいつガザに到着するかはまだ明らかになっていない。
エジプトは12日、ガザ地区内のパレスチナ市民に人道支援を提供するよう呼びかけ、イスラエルに対し、空爆によってラファ検問所の通常の活動が妨げられた後、同検問所のパレスチナ側を標的にすることをやめるよう要請した。
エジプトはまた、ガザの住民が国境を越えて南下させられることに拒否反応を示している。
エジプトのサーミフ・シュクリー外相は、リトアニアの外相との記者会見で、「当初から、我々は人道支援を提供するためにラファ検問所の開放を継続することを強調してきた。ガザ地区の緊急の人道的ニーズが満たされるまで、ラファ検問所は開放され続ける」と述べた。
11日にエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と会談したアントニオ・グテーレス国連事務総長を含め、ガザへの支援を求める声が高まっている。
ハマスの攻撃後、イスラエルはガザ地区を「完全包囲」し、水、食料、電気、その他の必要物資の供給を遮断している。
国連人権高等弁務官のフォルカー・ターク氏は、この包囲は国際人道法で「禁止されている」と述べた。
ガザへの6日間にわたる執拗な爆撃により、住宅、モスク、工場、学校などがすべて攻撃を受け、この小さな領土は壊滅状態となっている。
国連によると、33万8000人以上が避難を余儀なくされているという。
パレスチナの飛び地であるガザ地区の電力当局によると、ガザ唯一の発電所は11日に燃料切れで停止した。
9日から10日にかけて、イスラエルはラファ検問所のパレスチナ側を3回空爆した。同検問所はそれ以来閉鎖されている。
ガザは地球上で最も人口密度の高い場所のひとつであり、362平方キロメートル(140平方マイル)の土地に240万人(その半数は子ども)が暮らしている。