
ニューヨーク:ガザ地区における清潔な水の不足が、人々の健康への大きな懸念をもたらしている。
「ガザで水が尽きようとしていて、ガザで命が尽きようとしている」と、国連のパレスチナ人担当機関の局長であるフィリップ・ラザリーニ氏は述べた。
ガザは通常、イスラエルからの輸送管、地中海の海水脱塩工場、井戸などの供給源の組み合わせによって給水を受けている。イスラエルがハマスによる攻撃の後に、上下水処理工場の動力源となる燃料および電力とともに、水の供給を止めたことで、これらの給水は激減した。
国連は水へのアクセスを人権として認めており、基本的レベルにおいて、人体は生存のために絶え間ない水の供給を必要とする。「空気に次いで」、水は「健康維持のために本当に最も重要なものだ」と、人道的状況下における水へのアクセスについて研究してきたコロンビア大学の救急医Tsion Firew博士は述べた。
全米科学・医学アカデミー(US National Academies of Science and Medicine)の報告では、適切な水分補給のために、1日につき男性は約3.7リットル(125オンス)、女性は約2.7リットル(91オンス)を飲む必要があるとされている。その多くは飲用水と飲み物から摂取され、約20パーセントは果物などの食品から摂取される。
多くの人は水がなければ数日以上は生きられず、子どもや高齢者、基礎疾患を抱える人といった弱い人々ならなおさらだと、Firew氏は述べた。脱水はめまい、疲労、錯乱を引き起こす可能性があり、ひどい場合には臓器不全や死亡につながる。
水へのアクセスは公衆衛生にも必要不可欠であり、清潔な水の不足はコレラや赤痢といった感染症の蔓延につながる可能性がある。不潔な水によって広がり得る下痢性疾患は、世界中の5歳未満の子どもたちの主たる死因となっていると、Firew氏は述べた。
医療現場については、病人や怪我人の患者たちを治療するのに清潔な水を頼りとしているため、特に懸念がある。
ガザ地区全域の各病院が数千人の患者を必死に治療する中、世界保健機関(WHO)は水不足により命が危険にさらされていると述べた。
「入院病棟、手術室、救急診療部の衛生状態を確保するためには水が必要だ。水は病院関連感染の防止と院内での感染症流行防止のために不可欠だ」と、WHOは声明で述べている。
AP