
リヤド:元サウジアラビア情報局長は、イスラエルとハマスが民間人に対して行っている行為は非難に値するとしつつ、パレスチナ人にはイスラエルによる軍事占領に抵抗する権利があると主張した。
トゥルキ・アル・ファイサル王子は、「糾弾されているように、ハマスが年齢や性別を問わず民間人を標的としていること」を断固として非難するとしたうえで、それらの行為は民間人に危害を加えることや礼拝の場所を冒涜することを禁じるイスラムの教えに反していると指摘した。
「しかし、イスラエルがガザ地区の罪のないパレスチナ民間人に対して無差別爆撃を行い、彼らを強制的にシナイ半島へと追いやろうとしていることも同様に非難する」
ヒューストンのライス大学ベーカー公共政策研究所で開かれた集会で講演したトゥルキ王子は、「この紛争に英雄はいない。いるのは犠牲者だけだ」と述べた。
かつてサウジアラビアの駐米大使と駐イギリス大使を務めたトゥルキ王子は次のように語った。「軍事占領下にある全ての人々には占領に抵抗する権利がある。たとえそれが軍事的手段であってもだ」
しかし、異なるアプローチの方がパレスチナ人にとって実りあるものになるとトゥルキ王子は考える。
「私としてはもう一つの選択肢の方が良いと思う。それは市民的な反乱と不服従だ。インドの大英帝国や東欧のソビエト帝国もそれで崩壊した」
10日前、ハマスはガザ地区の境界を突破してイスラエル人居住地を襲撃し、兵士と民間人合わせて1000人以上を殺害した。
イスラエルはハマスの一掃を誓い、ガザ地区に爆弾の雨を降らせて3000人以上の民間人を殺害した。17日の病院に対する空爆で死亡した500人超もそれに含まれる。
しかしトゥルキ王子は、2つの間違いを足しても正しいものにはならないとして、この紛争の両当事者が非難に値すると述べた。
イスラエル国民の半数までもが「ファシストで邪悪で忌まわしい」と見なすほど不人気なイスラエル政府にハマスは道徳的機会を与えてしまったと、トゥルキ王子は指摘した。
「イスラエルには圧倒的な軍事的優位性がある。我々の目の前には、イスラエルがガザ地区の人々にもたらしている荒廃と忘却がある」
そして、イスラエルがヨルダン川西岸地区においてパレスチナ人の子供、女性、男性の標的殺害や無差別逮捕を行っていることを非難した。
トゥルキ王子はまた、パレスチナの人々の闘争に関わる出来事の、このところの扱われ方に異議を唱えた。
「米国メディアで『挑発を受けていないのに行った攻撃』というフレーズが繰り返されているのを耳にする。イスラエルが4分の3世紀にわたってパレスチナの人々に行なってきたことを挑発と言わずして何を挑発と言うのか」と王子は述べた。「ミドル・イースト・モニターに2014年2月17日に掲載された『イスラエル軍退役軍人、1948年のパレスチナ人虐殺での役割を認める』というタイトルの記事を参照してほしい。これを読めば泣くだろう。私も泣いた」
イスラエルは5~7月に子供67人を含む450人のパレスチナ人を殺害したという。
「この流血を止めなければならない」
トゥルキ王子はまた、この紛争におけるパレスチナ人の行動とイスラエル人の行動に対する反応が異なると訴えた。
「イスラエル人がパレスチナ人に殺された時には涙を流すのに、イスラエル人がパレスチナ人を殺した時には悲しみを表明することさえ拒否する欧米の政治家を私は非難する」