


ドバイ:ガザでは、イスラエル国境周辺の人々が避難し、空爆が領土を攻撃し続ける中、領内にいる外国人は身動きが取れないままだ。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に勤めるある日本人は、ガザ地区に対する攻撃が始まる前からガザにいる。
38歳の益子萌氏は、国連の避難所の運営をサポートする仕事をしているが、現在妊娠19週目である。
益子氏は、続く眠れぬ夜と非常食でしのぐガザの現状をこう語る。「まさに生き地獄」だと。
「空爆は昼夜を問わず続き、私たちは夜も眠れず、水も電気も食料も日に日に不足しています」と彼女は説明した。
益子氏によると、国連職員でさえ、ここ数日は非常食の配給でしのいでいるという。
「戦争が始まって以来、私はガザのUNRWA施設の地下で6日間を過ごしました」と、UNRWAがアラブニュース・ジャパンに提供した音声記録の中で彼女は語った。「しかし、10月13日以降、私はガザ南部の別のUNRWA施設に避難しました」。
先週金曜日、イスラエルは、110万人の住民が住むガザ北部の全市民に、地上攻撃を前に南部に避難するよう命じた。
国連の報道官は、「壊滅的な人道的影響なしに、この移動を行うことは不可能である」と述べた。
ガザ北部では、ほとんどすべてがイスラエルの空爆によって破壊されたと益子氏は語った。「まだ建っている建物を見つけるのは難しい。国連施設も甚大な被害を受けている」
病院や国連施設からのイスラエル国防軍により避難するよう警告を受けているが、益子氏によれば、絶え間ない爆撃で多くの人がすでに家を失っているため、避難場所はこれらしかないのだという。
「かれらは他にどこへ行けばいいのでしょうか?」
現在に至るまで、イスラエルはガザへの電気、水、燃料の供給や、他国からの人道支援を拒否している。
「水、食料、毛布、マットレスといった基本的な生活必需品は完全に不足しています」と益子氏は言う。「国連の備蓄も、もはやこの状況に対応するには十分ではありません」
電気も燃料も十分でないため、ガザの人々がこの冬を越せるとは思えないと益子氏は語り、高齢者や子どもたちは日に日に弱っていると指摘した。
益子氏は、ガザを、イスラエルとエジプトとの国境が閉ざされ、世界から遮断された、屋根のない監獄だと表現する。ガザ住民の領地外への出入りは制限されており、状況は非常に厳しいという。
イスラエルが同地域のさまざまな標的を継続的に攻撃する一方で、ガザの人々に避難する場所はない、と彼女は付け加える。
戦争以前から「慢性的な電力不足に加え、雇用機会もないため、3年以内の大卒新入社員の失業率は70%を超え、貧困率は50%を超えています」
また、ガザでは手に入らない薬もあり、医療状況は劣悪だった。「がん治療のために外に出たいと思っても許可されず、数カ月待つ間に亡くなるケースも少なくありません」
益子氏は、今回の戦争は「ハマスの奇襲攻撃で突然始まった訳ではない」と説明した。
「今回のような大規模な戦闘は数年おきに起きており、その間に毎回、イスラエルの空爆によって罪のない何千人もの人々が殺されている」と彼女は語った。
現在、何百人もの外国人が、エジプトとの国境ラファ検問所で、戦禍に見舞われたガザからの脱出を待っている。