
ベイルート:レバノンの国境の村アイタルーンにおいて、同国軍の軍事車列がイスラエル軍から銃撃を受けたとの報道があった。死傷者は報告されていない。
レバノン南部国境における両者間の衝突は、1日だけ大幅に沈静化したものの、再び激化している
ヒズボラは27日、レバノンのアル・アダイセ村の向かいに位置するミスガブ・アムのイスラエル軍前哨基地を誘導ミサイルで攻撃し、「設備の一部に損害を与えた」と発表した。
また、「アル・サダの前哨基地を誘導ミサイルで」攻撃し、「施設や設備の大部分を破壊するとともに、そこにいた兵士らを死傷させたことが確認された」とも述べた。
ヒズボラによる地上侵攻が懸念される中、国境地域では依然としてイスラエル軍の作戦が行われており、偵察機が上空を飛行している。
27日朝、レバノン南部からアル・マナラの居住地に向けて誘導ミサイル1発が発射され、イスラエル軍は住民に対し避難所に留まるよう指示した。イスラエルは報復として、レバノン南部の村ムハイビブの郊外に戦闘機からミサイル2発を発射した。
それに先立ち、イスラエル軍はブルーラインに隣接する地域(アル・ダイラ、アルマ・アル・シャアブ、ナクーラ、アイタ・アル・シャアブの間)を白リン弾で攻撃し、木々を炎上させた。
ある軍事観測筋は次のように指摘する。「イスラエル軍は標的地点を露出させるために、また焼け跡を利用して密林の中に隠れているヒズボラ構成員の動きを監視するために、国際的に禁止されている白リン弾を意図的に投下した」
この国境地域からは約600世帯がサヘル・アル・ザフラニに避難し、現在は18の村々に散らばっている。
レバノン国営通信は次のように報じた。「レバノン赤十字社との協力のもと、避難民に配布するための約400枚のマットレスと約400枚の毛布が確保された」
10月7日にハマスの「アル・アクサの洪水作戦」が始まって以降、イスラエル軍との衝突で死亡したヒズボラ構成員は約50人に上る。
ヒズボラの議会ブロックの代表であるモハメド・ラード氏は、同組織は「この国を防衛し、我々の安全を守る」と述べた。
聖職者らは27日、犠牲への「対処として、レバノンを救うために大統領選出の問題を解決」すべきだと提案した。
レバノンでは、ヒズボラ支持派と国家主権擁護派の間で分裂している国会が新大統領を選出することができないまま、大統領がほぼ1年間空位となっている。
イスラム・シーア派最高評議会のシェイク・アリ・アル・ハティブ副議長は次のように述べた。「この地域の危険な状況に対し、レバノン人は政治的対立を脇に置き、協力して国家の統一を守るべく、政治的セーフティーネットを速やかに形成しなければならない。レバノンを守るため、そしてこの重大な局面に必要とされる政治的安定を実現するためだ」
「大統領の選出に関して速やかに合意に至ることで、全てのレバノン国民を結束させ、公的機関を再活性化する必要がある。危機や問題に対処し、脅威に対するレバノンのレジリエンスを強化する緊急救助政府の樹立への準備としてだ」
大ジャアファリ・ムフティーのシェイク・アフマド・カバラン師は次のように述べた。「大統領選出の問題と政治的国益の確保に関しては妥協の余地はない」
「大統領選出の問題は主権的に対処されなければならない」
一方、在レバノン・イラン大使館は、テヘランからの代表団が27日にベイルートに到着し、パレスチナ諸派の代表らと面会したと伝えた。